夏本番、釣りに海水浴にと海のレジャーが楽しい季節です。特に堤防釣りは家族でも楽しめる気軽さから、旅行のついでにちょっと竿を出してみようと考える人も多いのではないでしょうか。
釣は楽しいレジャーの半面、危険も少なからず伴うレジャーですが、夏の釣りで最も気を付けたいのが「日射病・熱中症」といった症状です。日光や日焼け対策などで帽子をかぶるのは基本ですが、熱中症となるとそれだけでは防げず、体力に自信がある人でも体調を崩しやすいので注意が必要なのです。
熱中症の危険サインと夏の釣りでヤバかった体験談
熱中症については厚生労働省なども注意喚起の情報を出しています。(熱中症の症状と対策)
人は体温が上がると汗をかいて体表から熱を放出させて冷やしますが、それ以上の熱に長時間さらされたり、体内の水分が不足すると適切な体温調節ができなくなります。
熱中症になると、以下のような兆候が体のサインとしてでてきます。
- 極端に大量の汗がでて止まらなくなる
- 指先や足などが部分的に痺れてくる
- めまいや立ちくらみなどが頻発する
- 力が入らずぐったりとして倒れ込んでしまう
私自身堤防釣りで夢中になりすぎて、何度もヤバい状況になったことがあります。
直射日光の照りつける堤防の上で、フカセ釣りをしていた時の事。エサ切れまでは粘ろうと気合を入れて釣りをしていた時のことでした。
釣りは結構動きがあるので大量に汗をかきます。したたる汗をぬぐいながら、次第に妙な感覚があることに気づきます。手が痺れて竿を持つ感覚が薄れてきているのです。今まで普通に釣りをしていたのに、突然力が入らなくなって意図せず座り込んでしまいました。さらに強烈に喉の渇きが襲うと同時に、今まで滝のように出ていた汗が出なくなっているのに気づきます。
これは本当にヤバい・・・と本能で感じ、道具一式を置いたまま車へ。めまいもして意識がふらふらする中、偶然空いていた漁港近くのタバコ屋さんで水を2リットル買って一気飲みしました。それでも渇きが止まらぬばかりか倒れ込んでしまい、おばちゃんに氷枕で冷やしてもらって1時間ほど休んだことでようやく動けるようになりました。
圧倒的に水分補給の頻度が不足していたのと、風もなく日光照り付ける中でじっと釣りをし続けたことで体温が上がりすぎ、熱中症を発症してしまったわけです。
海釣りで注意したい熱中症予防と対策
私は釣りバカなもので、一度熱中症で痛い思いをしても翌週にはまた堤防に立つような性分。しかし、これ以降は常に夏の体調管理には気を配るようにして、無理は控えるようにしています。
基本は水分を確保しておく(1.5l以上)
まず基本となるのは、多めの水分を持っていくようにすること。数時間だけの釣りでも、真夏に釣りすると1リットルでは足らないくらい水分を消費します。多少荷物はかさみますが、すぐに飲んで軽くなるので1リットルから1.5リットルは持っていくようにします。
おすすめは1リットルボトルのお茶か清涼飲料水に加えて、冷凍用の500mlペットボトルを1本持っていくこと。コンビニなどで氷と一緒に売られていますが、これを持っていくと時間経過とともに溶けていくので、暑くなるころに冷えた水分が飲めて気持ちいいです。さらに、熱でダウンしそうなときに首元に当てることで体温を冷やす目的で使うこともできて一石二鳥です。
暑さ対策と直射日光対策は十分にしておく
帽子をしない人はいないと思いますが、サンバイザーで済ませずに直射熱を遮ってくれる帽子は必須です。意外と優秀なのが「麦わら帽子」。動きのある釣りでは邪魔になりがちですが、日射病予防としても、通気性の良さによる涼しさも抜群です。
次に釣りでは怪我防止や、蚊などの害虫対策で長袖を着ることが多いです。長袖も、ドライ素材のラッシュガードなどを着ることで、通気性が良く体温の籠りを防いでくれます。堤防釣りに限らず、釣りでは夏とはいえ重装備をしていくことも多いので、暑がりな人は素材にこだわってみるのも一つの手です。
水を含ませることで、一時的に冷却効果をもたらす素材のタオルなども持っておくと便利。効果そのものは微々たるものですが、日光の熱で火照った肌には意外と効きます。
日中の釣りは避け、危険を感じたら即撤収する勇気を
あとは根本的に熱中症になりにくい時間を選んで釣りをすること。日が沈んでいるうちの夜釣りであれば、水分補給さえしっかりしていれば蒸し暑さに耐えるだけで済みます。夏こそ夕涼みを兼ねた夜釣りを楽しんでみるのが一番ではないかと思います。
夜釣りで何が釣れる?夜型人間による「夜行性の魚」考察また、朝マズメ、夕マズメの数時間に絞って釣りをするというのも一つ。気温が高くなる時間は避け、時間を決めて釣りをして日が照りだしたら撤収する。カンカン照りの日中では釣れる魚も少ないので、釣れる時間に絞って釣りを楽しむことで熱中症を防げることになります。
釣り場では熱中症の対処手段が少ないことを理解する
堤防や船の上、磯場などほとんどに共通しますが、海辺は太陽の熱を遮るものがありません。さらに生活圏と離れている場所が多く、コンビニはおろか自販機すら身近にない場所も多いです。
いざ熱中症になって体調が悪くなった場合、すぐに自力で対処できるような状況とは限りません。楽しい釣りが苦行になっては元も子もないので、熱中症の予防対策はじっくりと考えてみてください。
水分補給と体温調節は常に意識しておき、自分は元気で体力に自信があるから大丈夫だとは思わないで、釣りに夢中になるあまり体調を崩さないように注意して楽しみましょう。
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