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すっかりはまってしまった海上釣り堀での釣り。釣り堀といえ坊主になることもあるくらい、シビアコンディションも時にあり、釣り人の腕次第で釣果に大きな差が出るやりがいのある釣りです。
海上釣り堀のシビアコンディションを克服するために色々手を尽くして検証してきましたが、有効的な手段の一つに船釣りで使うカウンター付きの両軸リールを使うというものがとても良かったのでまとめてみました。
カウンター付きリールが釣り堀で猛威を振るう
カウンター付きリールとは、リールに小さなディスプレイが設置されていて、糸の出た長さを計測して水深を測ることができるリールのこと。
釣り堀はおおよそ10メートルから、深くても15メートルの水深があるイケスで釣りをします。しかし、常に魚はとどまってるわけではなく、潮の動きや水温、食い気などによって泳ぐ層を変えていきます。我々の想像以上にタナが刻々と変化しています。
ほんの数十センチタナがずれるだけで何も食ってこないということはよくあり、釣り人の腕の一つとしていかにタナを見極めて効率よく探っていくかという部分が大きいわけです。
ウキ釣りの場合タナは固定できますが、調整が面倒で手返しは良くありません。ウキ止め糸もよくズレるので、定期的なチェックが必要で地合いの時にはイライラするときもあります。
そこで、カウンター付きリールの出番!魚のアタリがあるタナをじっくりと探ることができますし、アタリがあったタナを再びピンポイントで効率よく狙うときにも大いに役立ちます。
船釣り小物用両軸カウンター付きリールを活用
釣り堀で使うのは船釣り用として売られているリールで、釣り堀専用のカウンター付きリールは販売されてません。
私が使っているのは、ダイワの「ライトゲームXICV150H」という機種。実売1万3千円前後の手軽さでありながら、ドラグ性能も十分で色々な釣りに応用が利く万能モデルです。
おおよそこのサイズのリールであればどのメーカーでもいいですが、あまり大きなリールを使うとギア比の関係で細かなタナ調整がシビアになるので注意が必要です。
小物用というリールでも釣り堀で使うには十分すぎる性能のもので、マダイから大型のブリまで十分に仕留めることができます。
最低限のドラグ性能があれば大型青物相手でも問題無し
両軸リールはスピニングに比べると機構が単純ですが、半面ドラグが効かせにくくて青物とのやり取りが不安に思っていました。
しかし実際に魚を掛けてみると全く問題無し。大型のワラサクラスでも十分にドラグが効いてくれます。スピニングのように軽快なドラグ音をさせて糸がでていくものではありませんでしたが、魚が突っ込んだ時にヌルりと必要な糸を出して耐えてくれました。
強さ的にドラグ2キロないくらいでも十分。釣り堀ではイケスの深さ以上に潜られることはありませんから。糸が出され過ぎるようなら、指先でスプールにブレーキを掛けることもできるのは両軸リールならではのメリットでした。
脈釣りはタイ、シマアジなどの小物釣りで使うことが多いように見えますが、脈釣り1本で釣り堀の魚を全て相手にしても十分対応できます。
元々船釣り用途で使われることが多いリールを流用していますので、釣り堀で使うという用途に限定をするのであれば強すぎるドラグもいらないし、糸巻き量を気にする必要もないので予算に合わせて選んでいけば問題ありません。
※シマノでいうとバルケッタ辺りが価格的にも使いやすく同等の性能があります。利点として、液晶パネルの電池を自分で交換できること。ダイワ製はできないものが多く長く使うことを視野に入れると不便な点もあります。
3メートル以上の脈釣り用ロッドと組み合わせる
カウンター付きリールを組み合わせるのは、3~4メートル程度の脈釣り用に設計されたロッドです。
脈釣りでは竿の長さの分しか探ることができませんので長さは武器になります。しかし長すぎると扱いが不便で、慣れないと取り回しづらいです。
初めて海上釣堀で釣りをするのであれば、3メートルか3.6メートルの長さが使いやすく、4メートル以上はある程度長い竿の扱いに慣れてから使うのをおすすめしています。
愛用している脈釣りロッドは、「ダイワクラブブルーキャビンさぐり釣りM400」です。ロッドの先端が繊細になっており、竿先でアタリが分かるようにホワイトマーカーなどで目立つようにしてあるので分かります。
※海上釣り堀ではロッドの長さ制限が規定されている場所があります。私が良く行く釣堀の中では、5メートル以内であればOKの場所がほとんどでしたので4メートルを選びました。
脈釣りの一番の醍醐味は、ロッドに直接伝わるアタリを感じ、魚の食い込みを感じながらアワセを入れること。ウキがズバッと沈むのもいいですが、ダイレクトに1から10まで自分のペースで釣りを組み立てるという意味では脈釣りがスリリングな釣りですね。
スピニング設計のロッドにベイトリールを付けても良いの?
よくある質問として、スピニングリール用のロッドに両軸リールを付けて問題ないか?という疑問。
まず竿の設計がスピニングかベイトかを見分ける指標の一つとして、リールを固定するシートを見ます。シートを固定するスクリューが竿尻についていればスピニング設計。リールより上側についているならベイト用。これはそれぞれのリールをセットした際に、手にあたりづらくスクリューが緩みにくい位置にセッティングされているものです。
現状はほとんどがスピニング設計で、今使っているダイワクラブブルーキャビンさぐり釣りもメーカーの設計ではスピニングリールをセットして使うようになっています。
では実際にスピニングリール用のロッドに両軸リールを付けて問題ないか?
こちらは現状4年ほど使い続けていますが、ヒラマサとやり合おうがシマアジを釣ろうが問題となることはありませんでした。
ときおりガイドがズレることがありますが、こちらはスピニングリール装着時でも起こり得るもので、気づいたときに直していけば釣りの支障になることはなかったです。
また手が当たるのでリールシートのスクリューは確かに緩みやすいです。すぐに外れるようなものでもないので、気づいたら増し締めするようにすれば問題ないと感じています。
仕掛けはシンプルにハリスに適時ガン玉を打つだけ
仕掛けはシンプルに。私は脈釣りでは釣り堀で定番のクッションゴムは使用しません。
クッションゴムを使うとオモリの位置が固定されてしまうため、魚の活性や棚に合わせた調整が困難になるのが理由です。
ゆっくりと仕掛けが沈んでいくように、ガン玉の3B~1号程度をハリスにセットするだけというシンプルな仕掛けにしています。
初めに3点タナ取りして深さが掴めれば変更要らず
実際の釣り方ですが、まずロッドの長さ分糸を出し、その時点でリールのカウンターをゼロにします。4メートルの竿なら4メートル出した時点でゼロにセット。これなら途中でハリス交換などして長さが変わっても、全体の仕掛けの長さを瞬時に合わせられます。※メーターの深さは常に+4メートルで計算します。
※他にもリールの機能を活かしたいい方法あると思いますが、釣り堀ではせいぜい10メートル程度のタナですので、スピーディに自分が分かればよいという手法でやっています。
次にネット際、中間、イケス中央部の3点でタナを取り、底に着くまでの深さを測ります。潮の流れやうねりによっても変化するのでおおよその目安が分かればよいです。
1メートル刻みでゆっくりとタナまで落とし込んで探る
仕掛けを投入したら、1メートルごとにゆっくりラインを出して落とし込んでアタリダナを探っていきます。
カウンター付きリールのメリットは、今何メートルラインが出ていったかが一目瞭然であることです。液晶画面を見ていれば今エサがある水深が分かるので、アタリが無くなった時に魚の居場所を探るときなどは特に役立ちます。ウキ釣りではその都度ウキ止め糸の調整が必要になりますからね。
また、もう一つのメリットとしてアタリがあったタナを記憶して集中的に狙うことができるということ。今何メートルでアタリがあったかが数値で分かるので、再度仕掛けを投入する時でも狂いなく魚の泳ぐ層にエサを届けられます。特にタイ・シマアジは一定のタナを群れで泳いでいたりするので、連続ヒットを狙う時に非常に有利になるのです。
ウキ釣りでは知らない間にウキ止め糸がズレていたりしてタナが狂います。特に魚が掛かった時にズレやすく、その都度タナ取りオモリを使用してタナ合わせをしなければいけません。これが本当に面倒なのです。
キッチリと初めにタナを取っていれば、底のネットすれすれを狙って渋い魚に口を使わせるということも可能。ウキ釣り勢が一投ごとに時間をかけているのを横目に、釣ったらすぐに次の仕掛けを投入して入れ掛かりを楽しむのは気持ちよいです。