さる2015年7月19日の日曜日。夏休みも始まる連休で海水浴客もにぎわう中、福井県の敦賀市比田テトラにてチヌのフカセ釣りをしてきました。
ここ最近はテクニカルなフカセ釣りに魅了され、もっぱらターゲットをチヌに絞ってフカセの腕を磨く日が続いています。
とはいいつつも約半年ぶりのフカセでもあり、過酷な夏の海ということも相まって不安がよぎります。
先ほど過酷な夏の海と書いたが、過酷なのには理由が2つ。照りつける太陽によって釣り人自身の体力が失われることが一つ。フカセ釣りは動きが激しい釣りで、真冬でも汗をかくくらいなので汗まみれの夏は熱中症との戦いになるのです。
もう一つは今回の最大の苦戦要因であった、エサ取りとの戦い。水温も上がってくると日本海名物「豆アジ」の大群が岸辺を埋め尽くす。さらにフグにベラ、そこを狙うときはカサゴや穴ハゼなども外道としてエサをかっさらうのでいかにエサ取りをかわすかが勝負の分かれ目となる状況。
そこで今回は助っ人とともに初のゴムボートで少し沖のテトラへ渡って釣るというこのサイトのテーマからしたら少し邪道な手法をとってみたのです。
同行してくれることになった、ナニワの商売人Tさん。忙しい中でもあったが、彼はチヌのフカセ釣り経験がまだ3回目ということらしく、初めての日本海でのフカセ釣りに挑戦したいとのこと。フカセ釣りでいえば経験日数だけは私が多いので、自分に余計なプレッシャーを科してしまった気分です。
前置きが長くなったがさっそく釣りのレポートとしてポイントをまとめていきます。
初の海でのゴムボートでの釣りについて思ったこと
釣場に着いたのは午前4時ごろ。早く着きすぎたが、今回の移動手段であるゴムボートなどいろいろ準備していると徐々に明るくなってきました。
ゴムボートってもっと大きくてワゴンのような車でしか運べないと思っていたのだが、なんとTさんは軽自動車に普通に積んできていて思った以上にコンパクトに収まるのに驚いた。空気も足踏みで想像以上に早く膨らませることができ、これなら一人でも楽々こなせそう。
値段も3万円ほどであったというから、これは新しい境地への興味までも膨らんでしまうではないか。運ぶのはそれなりに重いので、荷物と分けて運ぶので釣り場から駐車場が遠い場合はNGかな。なんにせよ初のボートにワクワクの幕開けとなったのです。
今回は海水浴場であり、100Mほど沖に波消し用のテトラが積まれている場所をボートで目指します。
ボートは当然手漕ぎですが、海とはいえそれほど大変そうな感じはしない。漕いでくれたのはTさんだが、しれっとこいでいる。ワカサギ釣りのボート釣りなどをした経験がある人ならすんなりとできそうですね。
2人なので荷物も多く、接岸後に受け渡しで多少手間取ったがなんとか無事に上陸。この頃にはライトがいらないくらい明るくなってきて、テトラも日本海特有の巨大なものではないので歩きやすかったです。
フカセでのチヌ釣がメインとはいえどもここはテトラ帯でもあり、周囲は砂場と言えど岩場交じりの海底であるとのことで根魚の魚影が濃いそう。
ということでまずは根魚、カサゴとキジハタ(アコウ)を狙っていくことにしました。
さすがの沖テトラは魚影も濃い
普段エサ釣りばかりしているが、今回はルアーでチャレンジ。後に控えるメインのチヌフカセ釣りのために状態を探る意味でも、少し重めのタックルで攻めてみることに。
私の仕掛けはいたってシンプル。ジグヘッドに「かぶら」という白い羽のようなものを付けるだけ。T氏は評判の「ガルプ」やエコギアアクアをすすめていたが、ここはこだわるのが私流。この「かぶら」は釣り具というより、「漁具」であり、漁師が使うもの。シンプルだが小魚の動きを的確に表現してくれる隠れた名品なのです。
期待通り1投目からヒット!
1匹目はカサゴちゃんでした。海底を小刻みにバンプさせている途中にゴンっとひったくるアタリ。
その後もカサゴは連発するが、ヒットごとに型が小さくなっていく・・・お目当てのキジハタはなかなか釣れない。
さらにかなり大きめのシモリがあるのか、結構な頻度で根がかりをします。場所によっては大きくかけあげっているようで、チヌには期待できそうだが根回りを攻めるのは難しい。水深は浅く、5メートルから深いところでも10メートル位しかなさそうな場所であることが分かったので、根魚に夢中のT氏をしり目にチヌのフカセ釣りの構想を淡々と練っていきます。
ようやくT氏が1匹キジハタゲットしたところで、チヌのフカセ釣りに移行することにしました。
チヌフカセ釣り全誘導仕掛けVS固定仕掛け
チヌのフカセ釣りの仕掛け準備に取り掛かりますが、ここでも仕掛けにはこだわりというかT氏とは相違がでてきました。
私のフカセ仕掛けは浮き止めを使ってタナを決め、テトラやシモリ周りを重点的に攻める固定仕掛け。
T氏は今流行り?の全誘導仕掛けで、0号浮きで仕掛けを柔軟に流していくスタイル。
それぞれの仕掛けの考察はまた別で特集したいと思いますが、多彩な仕掛けを駆使してチヌにアプローチしていくのもフカセ釣りの醍醐味の一つ。
エサは基本「オキアミ」を使いますが、今回私は練り餌「ネリックスサナギ」を持参。練り餌は釣るのが難しいと言われますが、そんなことはありません。今まで日本海では特にサナギ系の練り餌で何度もいい思いをしています。
ただしフカセ釣りで必須となる「コマセ(まき餌)」も付けエサに合わせるようにブレンドを工夫しており、サナギの臭いの強い「チヌ戦」と粘りを高める「チヌパワーMP」にオキアミ3キロを練りこむようにしました。これでサナギの臭いにつられてやってきたチヌに対して、サナギのエサでアプローチするという戦略です。
まずはコマセをまいて、海の中の様子を見てみます。潮はゆるやかに流れるも、時おり当て潮といって岸に打ち寄せる潮になったり、結構な頻度で流れが変わっていきます。
肝心のエサ取りちゃんたちの様子はどうかと見てみると・・・いますねアジの大群がわんさかよってきて水面下を埋め尽くしています。これは厳しい戦いになりそう。
エサ取り対策の手法としては、足元にコマセを打ってエサ取りを寄せておき、沖に本命用のポイントを作っていくのがセオリーですが、アジなどの青物系は泳ぎが早いのでこの手法が効果が薄いのです。一瞬であちこちに瞬間移動するのでかなり曲者。これは初めから練り餌で攻め、エサとりのうごきをみてオキアミも使っていくようにしました。
2ヒロからタナをとり、徐々に深くして仕掛けを流していくも、想像通りアジの群れの下にはフグの群れがいるようでエサはすぐに消えうせます・・・
サナギの練り餌では、アジはかわせてもフグは食いついてくるのが厄介。ハリスはすぐにズタズタで、針がなくなって戻ってくる始末。2時間近くはエサ取りとの攻防を続ける羽目になってしまいました。
お隣のT氏はというと、アジをバンバン釣っています。全誘導なのでダイレクトにアタリを合わせられるのはメリットですが、やはり仕掛けが落ちる前にアジにオキアミを食われてしまう模様。
しばらくはアジとフグに苦笑いする時間が続きます。
流れが変わったのは日も昇ってきた10時頃で、ふとアジの群れが居なくなります。海の濁りがひどいので海中は分かりませんが、これはチャンスと見てオキアミに付け替え、まき餌と同調させて流していくと予想通りヒット!
するどい突込みを見せるも、型はあまり大きくなさそう。上がってきたのは20センチ弱のグレでした。
気を取り直してさらに続けていくと、フグもお腹いっぱいになったのか、それとも大型が寄ってきて雑魚を蹴散らしているのかエサが食われず残ってきます。
ここで付けエサを練り餌に戻し、狙っていたシモリ付近を攻めていくと・・・
ひったくる様な大アタリ!練り餌を使うときのフカセ釣りチヌのアタリって急にドスンとくることが多いので気が抜けないです。
テトラに突っ込まれないように少し糸を出した後は沖で動きを止め、浮かせにかかります。チヌは意外とスタミナないので、最初の突込みに耐えれば後はすんなり浮いてきますね。
厳しい状況だけにこのチャンスを逃すまいと、必死で上げた1枚がこちらのチヌ。
どうやらテトラ居付きの真黒な個体のようですね。大きさは45センチとまずまずのサイズです。
「チヌはいるぞ!」とこれで火が付いたT氏も気合い入れて仕掛けを流し始めるも、その後はグレがヒットしたのみで終了となりました。
場所が場所だけに期待はしていたのですが、厳しい釣りになってしまいました。
今回は台風後の荒れ目を狙っての釣りで、濁りと波気が丁度良いチヌ釣りにはベストな状況と思われたのですが残念な結果に。
要因として考えられるのが、水温の急激な低下です。帰りにボートに乗るときに海の水をさわってみると、日も昇った正午近いのに水が冷たい!海水浴の人とかよく入っていられるなと思わせるくらい水温が低下しています。
もしかしたらこの水温低下により活性も落ちていたのではないかと推測できますが、やはりまだまだレベル不足ということは間違いないのでさらにフカセ釣りは経験値を積んでいきたいですね。
次回はホームでもある三重県エリアにてフカセ釣りをしたいということなので、今後はバンバン爆釣ウハウハレポートをお送りできるよう頑張ります!
追記
今回は釣り終わったあとに2人で食事でもしようということになり、しおかぜラインから国道8号線に上がってすぐのお土産市場?的なところに入りました。
お互い気にはしていたものに通り過ぎてばかりだったので、丁度いい機会ということで入ってみることに。
中はバスできている団体さんや観光客で意外にも混み合っていました。食事できるところもあったので、海鮮を堪能すべくここで食事をとることに。
ただここからが問題・・・
私が頼んだのが3色丼で、いくら・うに・イカの彩どんぶりだったのですが、おそらくはイカとご飯以外はすべて偽物!イクラに至っては固くて噛みつぶさないとつぶれないうえに、中身も申し訳ないけど変な味と臭いがする・・・。隣のおばちゃん、「このイクラ歯ごたえがあっておいしい」ってイクラに歯ごたえという感想はありなのか???
ウニも苦い味のする黄色い何か?としか表現のしようがなく、これで¥2200円はぼったくり過ぎました。たまたま混んでいてネタ切れしてしまったからなのか、それともここでは常時このようなものを出しているのか分かりませんが、少なくとも先月北海道でイクラを食べてきたばかりの私の舌はごまかせませんでしたよ。
このような場所で何か頼むときは、ごまかしようのない「イカの姿焼き定食」とか、「焼き魚定食」のような偽物が作れないものを選んだほうがいいです。刺身とかは普通においしそうだったので、素直に地の魚を堪能しておくべきでしたね。
同行してくれたT氏のフカセ釣りブログはこちら