釣り餌の中には「集魚剤」といって、魚をおびき寄せるためのエサが売られていたりします。
エサとしてではなく、スプレーしてエサに着けるものや、ワームなどに漬け込んでおくという用途で販売されています。
魚は海中のわずかな臭いに反応するというから、においに敏感な魚をおびき寄せるのに効果的とされています。
しかしその中にはバニラの香りというほとんど海のものと関係がない香りがするものがあり、本当に魚が寄ってくるのか疑わしく感じるものもあるのですよね。
ワームでは非常に臭いけど釣れるというガルプが有名ですが、今回のテーマはバニラの香りなのでコンセプトが少し異なります。
バニラの香りの集魚剤について思うところを書いてみます。
バニラの集魚剤を海面にまくと確かに魚は寄ってくる
いや、改めてバニラって・・・・。魚もバニラアイスが好きなのか??冗談はさておき、本当にバニラの香りで寄ってくるのかどうか?
これが意外と魚は寄ってきてしまうのです。
バニラの香りを謳っている「ボナジェット・バニラ」という商品を、堤防から海面にプシューっとスプレーをしてやります。
じわっと油が広がるような模様が浮かんだあと、すぐに何事もなかったかのように目立たなくなりますが、直後に小アジと思しき魚の群れや小さなカワハギなどの堤防の魚が寄ってきたのです。
もちろん他にも集魚成分は配合していると思いますが、漂う香りは完全にバニラアイスの香り!
ん、これはコンビニでバニラアイスを買ってきて海に撒けば魚がわんさか寄ってくるのか??とも邪推したりしますが、適度な香りが魚の嗅覚を刺激するのでしょう。
あくまで私が思っていることですが、バニラの香りの分子構造が、元々海の中にある何かしらの魚のエサと似ているのではないかと。それが海中で拡散することで、魚の嗅覚を刺激して食い気を立たせていると推測しています。
海釣りに浸って久しい私は遠い記憶なのですが、ヘラブナや鯉釣り用の練りエサにはものすごく甘いにおいがするものがあることも思い出しました。あれもバニラエッセンスがたっぷり入っていたのではなかろうかと思うわけで、釣りと化学の関係は今後の進歩に期待したいところです。
バニラの香りの集魚剤の使いどころ
現状バニラの香りの集魚剤として販売されているのは、ボナンザ社が複数展開しています。
主な用途として使うのは、磯釣り・フカセ釣りにおいてオキアミなどの刺しエサに集魚剤を付ける方法。
もしくは撒きエサに混ぜ込んで使うことで、集魚効果を高める狙いで使うのが良いです。
ちなみにアオイソメにぶっかけてやったことあるのですが、ものすごく嫌がって大暴れします…。イソメ類はもともと独特な臭いで魚を寄せるので、無理に使っても弱らせるだけです。
オキアミや練りエサといった死んだエサの食いを高めるために使っていくのがいいでしょう。
結局のところバニラの香りは買っておくべき??
バニラの集魚剤は釣りに必要か??と言われれば、無くても釣れるけどあったらワンチャン来てくれるかも!!という評価に留めます。無くても魚は釣れるわけだし、無いと釣れないような魚は現状存在しませんから。
しかし、全く無意味なものとも思っていません。釣りにおいては場所選定や餌のチョイス、テクニックはもちろん重要だと思いますが、釣り人それぞれのごくわずかなこだわりが釣果の差を生むこともあると思っています。
そんなこだわりの一つを満たす小道具として、集魚剤をポケットに忍ばせておくのは面白いのではないかと。
現に私もバニラ集魚剤は何度も使った経験があります。この手の商品は効果自体ははっきりとは体感できていませんが、1匹でも多くの魚と出会える確率が上がるならと釣行には必ず持っていってしまうわけです。
釣り用品としてはやや眉唾なアイテムの一つですが、ここぞというときにバニラをワンプッシュ!これで大物が釣れれば、あなたもバニラ教の一員になることでしょう。