釣りで収入を得て生計を立てる方法について手段や期待値を考察

こんな質問をいただきました。「釣りだけで生活をしていくことは現実的に可能なのでしょうか?」と。

釣りだけで…というと漠然としていますが、お金をもらいながら釣りができたらいいなぁとは、釣り好きなら一度は考えることではないでしょうか。

釣りを仕事にする。3度の飯よりも釣りが好きなのであれば、釣りに関することを仕事としてお金を得ていくのは理想的です。

私も子供の頃から夢見ている一人であり、現在進行形で釣りで食っていくためにできることを模索しています。小中学生の頃の夢はバスプロ、高校生ではルアーを自作したりしたのち、一時のブランクを経て再び理想のために釣りの道を進むことを決めました。

そもそも釣りの市場規模は非常に大きなものです。専門の小売店が全国にあり、雑誌、新聞、TVメディアもあることから大きなお金が動いています。釣り人口は減りつつあるといっても依然国内では代表的趣味の一角であり、釣りで生計を立てることを考えることはおかしな話ではないと思っています。

そのためには釣り業界のお金の流れを知ることが重要であるとして、個人的に調べたり考察したことをまとめてみました。釣りに関わる仕事で生計を立てていくために、自分はどのポジションにつくのがベストなのかが分かってくると思います。

釣りを通してお金を得ていくための手法の考察

釣りに関することでお金を得ようと思った場合は、大きく分けて2つの道があると思っていいでしょう。

1.釣りそのものをコンテンツとしたビジネス

2.釣りに関する事業やサービスでお金を得る

この2つを別の言い方で表現すると、

1.企業(スポンサー)から直接お金を得るビジネス

2.消費者(一般の釣り人)が使ったお金から利益を得るビジネス

に分けられます。

ここで、1に関しては限られた業種なので先にまとめますが、釣りのプロ、芸能人、youtuberなど自分自身を商品として提供する人たちになることです。

釣りで食っている人達の代表「プロ」

ネーム刺繍入りのウェアに身を包み、TVや雑誌のフォトを飾り、一年中釣りしているプロ。釣りで食べている人たちの花形として一番に目が行きます。

ここでは具体的なプロになる方法などについては論じられませんが、実際に自分がプロを目指すとしてどんな食い扶持や問題点があるかを考えました。

メリット:一度プロになれば応用性が高い

プロになれば、スポンサーからの収入、新商品のテスト、雑誌やTVの取材費、ブランドの立ち上げ、DVDや書籍出版、イベントなどでのフィーといった複数の収入源を得ることが可能。一度のし上がって知名度が高まれば、色々な仕事が舞い込んでくるというのはどの業界も変わりません。金額の差こそあれ、釣りのプロも相当もらっています。

プロになるにはメーカー主催のトーナメントで実績を積むのが大一手。他にもSNSでの露出やメーカーとの繋がりがある釣り宿、釣具屋などの紹介から道が開けることもありますが、まじめに目指そうと思うと相当狭き門です。

デメリット:日本での地位は低く極めて狭き門

日本ではそもそも釣りのプロって??という人が大半で知名度が低い。ゆえにスポンサーも限られるし、必要とされているのはごくわずか。

アメリカではゲームフィッシングが文化として根付いてるので、釣りしない人でも知っているくらいに地位が高いのですが、日本でとなると相当鍛えこんだ技量が必要であるのと、その道へ進むための時間・資金が必要。オリンピック選手を例にだすと大げさですが、それ相当のものが必要と考えています。

youtuberなどメディアへの露出して広告料を得る

芸能人となるといわずもがなですが、最近では釣りのyoutuberも増えてきました。釣りおじさんもyoutubeチャンネルを開設して動画を配信しています。

釣りに関するコンテンツを作り、広告費を得ているのであれば立派に釣りで食べているということがいえると思います。

今すぐ誰でもでき、無名からのし上がれるという点ではプロに比べてハードルは低い。その分ライバルも多くて食っていけるレベルを考えたら一握りしかいないのは同じです。

  • 誰でも今すぐにできる
  • 大きなお金はいらないが撮影機材にはこだわるべき
  • ライバルは多く、差別化できる工夫が必須

メリット:続けさえすればポジションを獲れる

youtubeは有名な人が有利と思われますが、知名度も何もない人でも一定のポジションを獲れてしまうのが面白いところです。TVと違ってターゲットは日本全国・世界に開かれているわけで、あなたが発信する動画に興味を持ってくれる人は必ずいます。その点で大きく収益を得るチャンスがあるとはいえるでしょう。

デメリット:動画編集の大変さと知名度が上がるほど増えるプレッシャー

一方でyoutubeは視聴者側も自由に意見を発することができてコメントも非常に活発です。中には好意的ではない意見が寄せられることは珍しくなく、プレッシャーに負けて辞めてしまうという人も星の数ほどいます。

では現実的に考えて、釣りを楽しみながら、そこそこお金を稼いでいく方法についてを詳しく解説していきます。

最も手軽:釣りブログによる情報発信からの広告収入

初めに最も手軽と書きましたが、今すぐに誰でもできて収益を得ることのできる仕組みがブログです。このブログもスポンサーからの収益があり、釣りでお金を生み出すための仕組みの一つです。

  • 誰でも今すぐに実践可能
  • 事前にまとまったお金がいらない
  • 食えるほど稼いでいくには根気と時間がかかる

今も昔も情報には価値があります。釣り具のレビューや使い方などは購入検討してる人にとって知りたい情報でしょう。オリジナルの釣り方や、釣行記に関しても見ている人に役立つブログは人(アクセス)がたくさん集まります。

このブログも月間で100万に上る人が訪れてくれています。人が集まるブログができれば、そこに広告を出したいという企業も出てきますし、自分が紹介をした商品を購入してくれる人も増えていきます。書いた記事はコンテンツとしてネットに積み上がり、資産として育てていくことができるのです。

あなたにとって当たり前でも、知らない人から見れば価値ある情報になります。自分独自の切り口や釣りの工夫などは見ている人に有益な情報となり、読者が増えていきます。読者が増えれば、記事を見てくれた人に商品を紹介(アフィリエイト)したり、企業から広告出稿などの依頼が来るなどお金を稼ぐことができます。

価値を感じてもらえる情報提供の対価としてお金が得られるのです。そのためのツールとして、ブログはとても便利で手軽に取り組みやすいものとなっています。

メリット:自分の考えや行動すべてがネタになり価値を生む

ブログのメリットは、自分の釣りに対する考えや、自分がお金と時間をかけて調べた情報が何でもコンテンツになることです。

買った釣り道具、釣りに行ったときに五感で感じたこと、釣りに関わるあらゆる情報がネタとなり、一時の余暇を消費するだけのものではなくなります。

デメリット:大きなお金を稼ぐのは相当大変で時間かかる

ブログは誰でもできる反面、すでにやっている人はたくさんいます。ゼロからのスタートになるため、まとまったお金を稼げるブログになるには年単位での時間が必要です。

簡単にできそうということでやってみたものの反応が得られず、途中であきらめてしまう人が非常に多いのがデメリットと言えます。

釣りは基本的に無料で情報を得ようとする人が多いため、広告報酬の単価も低め。ブログだけで生活できるレベルまでまとまったお金を稼ぐのは正直大変です。

本気で取り組めば、釣りで食べていくことの実感を一番感じられる手段ではないでしょうか。今すぐにお金が必要な段階でやるのではなく、釣りを楽しみながら副業としてブログをはじめ、自分の釣り業界へのかかわり方を模索していくツールとして使っていくのが良いと思います。

人脈と資本次第:釣り具の物販によって収入を得る

お金を生むという点で最も分かりやすいのが、釣り道具を売って利益を出す方法(物販)です。

  • ネットを使えば誰でも一人でもできる
  • 最初にまとまったお金が必要
  • 組織化して大きな収益を得ることもできる

なにも釣具屋さんを開業しなければいけないというものではなく、ブログと同じようにネットを活用して全国の釣り人に物を売ることもできてしまう時代になりました。イメージしやすいものですと、ヤフオクやメルカリなど個人売買ができるサービスを使って、自分の商品を売るということもできます。

また本格的に問屋さんから商品を仕入れてネットを通して売るということもできてしまいます。今私がやり始めているのはここで、詳しいパートナーさんと組んで物販の仕組みを整えています。

ネットがあればお店を持つ必要もないため、釣り道具を売るという点で見ても個人レベルで参入できる市場が整っているのです。

メリット:事業性が高くスケールメリットがある

物販は一度仕組み化さえできれば、あとは仕入れと販売の繰り返しです。パートさんなどを雇って単純作業をこなしてもらうのも容易なため、事業として拡張しやすいメリットがあります。

何億という数字さえ目指さなければ、個人レベルでも食っていくお金を作ることは可能です。

デメリット:仕入れの資金と在庫の管理でとん挫することも

物販のデメリットは、仕入れにお金がいるということ。仕入れた物に利益を乗せて売れた差額が利益です。このため初期費用が必要ですし、売れないと現金化できないため資金ショートのリスクはついてまわります。

また、卸問屋さんもいきなり商品を売ってくれるものではありません。仕入れる数によっても卸値は変わりますし、そもそも新規の取引は難しい場合もあります。

フィッシングショーなどでメーカーさんとパイプを作ったり、釣具店など小売りの現場の人との人脈も必要になるため商売気質が苦手な人には向かない点もあると思います。

小規模で進めてみて、徐々に規模を大きくしていくのがいいです。自社商品を開発する場合は、よほどのブランド力か販売ルートがないと厳しい。

自分で商品のテストをしたり、釣りをしながら収益を上げる工夫をしていくこともできて楽しみがあります。上記ブログと併用しつつ、読者さんに売っていくという形であれば生活できるレベルに持って行ける可能性はあります。

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釣りに関わる仕事で食べていくという選択はどうか

釣り具のメーカー・関連企業への就職

釣り具のメーカーや関連メディア企業に就職をするというのも、釣り業界で食べていく手段の一つとしてあげられます。

  • 就職できれば安定して釣り業界へ携われる
  • 希望の仕事ができる保証がなくあくまで企業の一員
  • 現実的に考えて食う分に困らない給料は得られる

メリット:釣りのトレンドや物流の流れが最も分かる

今何が流行っているか、今後何が流行りそうか?というようなトレンドはメーカー・問屋サイドからの情報が最も濃いです。

商品の開発に携われたり、仕掛け人側に回ることで釣り業界を動かす醍醐味があります。釣りで食べていくという点では現実的かつ安定している手段。

デメリット:あくまで企業なので「釣り」そのものからは遠ざかる

釣り業界に深く携われるのはメリットでもありますが、一企業という組織を動かす歯車になるに過ぎないという側面もあります。必ずしも希望の仕事ができるわけではないし、希望の分野の釣りに関われるわけではありません。

自分が趣味としている釣りそのものからは遠ざかる恐れもあり、釣り好きだからと言ってここを選んでしまうとイメージとのギャップに悩むこともあるでしょう。

釣り具や釣りエサ屋の小売店を開業したり従業員になる

一般に最も馴染みがある、釣り道具屋さんや釣り餌屋さんで働く、もしくは自分で開業するという手段はどうか?

釣りという業界に最も身近に関われるうえに、直接釣り人との接点が多数生まれる仕事であるためにリアルな情報が得やすいです。

  • 手軽に釣りに関わる仕事でお金を得られる
  • サービス業であり、釣りどころではなくなることも
  • 業界の流れをいち早くつかめる面白さはある

メリット:釣り人との接点が最も近くリアルな情報が得られる

釣り人との接点が直接得られる仕事であり、もっとも釣りに近い位置で仕事に携われるメリットがあります。

新商品にいち早く触れたりできるのも、この仕事ならではのメリットと言えます。

デメリット:サービス業としての苦労は見逃してはならない

小売店はあくまで接客サービス業。四六時中釣り具に触れていられるという喜びはありますが、利益を出していくための商品管理や仕入れなど釣り以外の業務多数です。

釣具屋ですから土日は一番忙しい。エサなども扱えば早朝から店を開ける必要あります。休日は少なくなるため、思うように釣りに行けないというジレンマに陥ることも。

遊漁船や釣り施設の営業

釣りで食べていく手段として直接現場に立てる仕事が遊漁船・チャーターボートを営業すること。また、釣り堀などの施設を運営したり携わる仕事もあります。

これらは自分で釣るのはもちろんですが、他の人に釣ってもらうことで収益を得るという仕事です。

  • 参入障壁が高く誰でもすぐにできるわけではない
  • 人に釣ってもらう喜びに自分の生きがいを見いだせるか
  • 資金もさることながら政治力も問われる

メリット:釣ってもらうことの喜びは一次元上

釣りを通して他人を喜ばせるという点では、釣りでお金を得ることの次元が一歩上であると思う部分があります。

自分の喜びをお客さんに共有してもらうことでお金を得る。実際にこの仕事をしている人と飲んだりすると、人間的なレベルが違いますね。

デメリット:参入障壁が高い(資金や地域の人脈)

遊漁船の船長になり仕事しようと思っても壁がたくさんあります。漁業権の取得、釣り用の船の用意、船の保管場所の確保など、資金は必要ですし同業者と上手くやっていくための人脈も必要ですからね。

部外者がポンと思い立ってできるようなものではないという点で、参入障壁が高いものです。

※漁師という道もありますが、厳密に「釣り」という枠組みの中で食べていくのとは少し異なるためここでは言及しませんでした。

重要なのは釣りを通してどんな価値提供ができるか

将来的に釣りで食べて行けたらなぁと思っているならば、漠然と釣具屋さんで働くとかではなく、自分の釣りに関する経験・情熱・知識でどんな人にどれだけの価値を与えられるのか?を考えて行動を起こしましょう。

お金を得ていくなら、釣りを通して何かしらの価値提供をして行く方法を考える。釣りでお金を得て食っていくためにはこれがすべてです。その対価として報酬を得られるからです。

趣味は自分自身の中だけで完結するものですが、食っていくためには趣味を抜け出さなければいけない。好きなことで食べていくのが大変な理由は、自分から他の誰かに目線を移す必要があるのです。

まずはブログから初めてみて自分の情報を整理しよう

私はブログ+物販の収益によって、なんとか釣りだけで一般のサラリーマンでも食べて行けるだけの収入(平均賃金くらい)を得られるようになりました。

現時点では本業は別にあるため副業として実践しているような状況ですが、それでも足掛け5年ほどかけて少しづつ業界を知りお金を得るための仕組みを作っています。

私がおすすめしたいのは、小規模でできることを始めつつ、釣りに関わる色々な収益ポイントを横展開していくことです。

まずはブログを書いてみる。その情報をyoutubeでも配信してみる。お金ができてきたら、オリジナル釣り具を作ったり、売れる商品を仕入れて売る。副業レベルでもできることは非常にたくさんあるのです。

漠然と何が良いかわからないという人は、まずは自分のブログを立ち上げて自分の釣りを記事にして発信しましょう。アメブロでも独自のブログでも何でもいい、そこから業界の仕組みを調べていったり、人脈を作って仕事を探していくことができます。

ある意味ではインターネットの普及によって、釣りで食べて行こうと思っている人に有利な土壌ができたともいえますから、今の時代はチャンスでもあるのです。

永く乱雑な文になったのでこの辺りで一旦締めますが、まずは自分のやりたいことやできることを整理して、そこから突破口を見つけていくのが釣りを本業にするために必要なことだと思っています。

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