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タナ・棚は釣り用語として最も難解な解釈であると思う


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釣り用語として比較的良く聞く言葉に「タナ・棚」という表現があります。

タナとは水中において魚がエサを捕食している層のこと。

ルアー釣りではヒットレンジと言ったりしますが意図するものは同じ。

使用例としては、

  • 活性が高いので浅いタナまで浮いてきて食った
  • 水温が下がってしまったので今日のタナは底付近だ
  • 本命のタナが深いのでエサ取りをかわすのが大変だ
  • タナは6メートル前後に調整すると良いよ

捕食層が活性やエサによって異なるクロダイ、グレ、河川のヘラブナなどで使われることが多いです。

海上釣堀など一定の水深があって、ヒットする層が日によって違うときなどに使われることもあります。

勘違いしやすいこととして、魚が居る・泳いでいる層ではなく、魚がエサを捕食する層というのが正しい認識です。

タナを理解するためによく使われる事例を紹介

タナを深く理解するための事例として、私は釣りの師匠にウミタナゴを事例としたレクチャーを受けたことがあります。

ウミタナゴは冬の堤防や磯で見られる魚で、水面下で見える位置に群れていることが多いです。

表層にいるので釣るためには仕掛けを浅くしたくなりますが、魚のいる位置にエサを落としても食ってこないのです。

ウミタナゴの捕食は一定のパターンがあります。オキアミを撒きエサとして投下すると、すぐにはエサに飛びつきません。オキアミの沈下と共に付いていくように泳いでいき、少し深い位置でエサに食いつく習性があります。

このエサを実際に食った層がタナです。魚が食ったタナを計っておけば、次狙うときにも同じタナを狙うことで効率よく食わせることができます。

ウミタナゴの捕食行動は警戒心から来ていると思われますが、釣りたいと思えば、タナ(捕食エリア)まで仕掛けを落としてあげないと食ってこないということになります。

釣りを続けていると、オキアミが沈むとともに徐々にタナも沈んでいき、もともとのタナよりも深いところでしか食わなくなります。これをタナが深くなったと表現します。釣るためには仕掛けを深い位置に落とせるよう調整しなければなりません。

そしてしばらく撒きエサを止めると、再び水面付近に浮き上がってきます。タナが浅くなったという状態で、また調整をしてあげる必要があるのです。

このように魚は当日の活性や海の濁り、意識してるエサによっても捕食する水深を頻繁に変えるため、タナ(捕食エリア)を考えて仕掛けを練っていくことが釣果に繋がるということです。

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タナを理解するのに厄介な釣り方による認識の違い

タナというのは釣りの用語の中でも難しい表現だと思っています。

タナについての考え方は釣りの対象魚や、釣りの手法によって色々な使い方をする人がいるからです。

水面から計算する人と底から計算する人がいる

水深が10メートルの釣り場があったとしましょう。

タナは3メートルで食った!と言われたとき、一般には水面から3メートル(ウキ下を3メートルとればいいのかな)と思ってしまいます。

ところが、意図としては水面からではなく、海底から3メートル、つまり水深7メートル付近で食ってきたということがあります。

ほとんどの人は「水面から計算したタナ=仕掛けの長さ」としていますが、まれに「底から何メートル」というような表現をする人もいますので初心者は混乱します。

釣りの書籍などをみると、初心者向けには水面から起点に書かれていますが、コアな釣り雑誌ではタナは底から考えるのが合理的と書かれているのも見てきました。

海底からタナを考えたほうが分かりやすい釣りもある

底からタナを考えるのは、クロダイのウキ釣りを経験している人に多いと思います。

私がウキ釣りの勉強をしているとき、このように人によってタナの表現が違うことを経験しました。

ウキフカセ釣りでは単純に仕掛けの長さではなく、仕掛けが潮によって流された角度、仕掛けの操作によってエサを浮かせるなどの要素を計算してアタリダナを計っていきます。

特にクロダイ、マダイなど基本的に底でエサを食うことが多い魚の場合、底からどれくらい魚が浮いてきて食ったか?のほうが感覚的に理解しやすいのです。

水面からよりも、底から何メートル浮いてきたかを考えたほうが撒きエサとの同調を計りやすいのもあります。

撒きエサとの同調という、タナを意図的に操作できるウキフカセ釣りならではの解釈ともいえます。

タナを「ヒロ」計算で計る人がいる(ベテランに多い)

  • 今日の当たりタナは4ヒロだった
  • このポイントのタナは2ヒロ程度が良いです

ヒロとは釣り用語で長さを表す単位です。一般には人がめいっぱい両手を広げた長さを一ヒロとしていますが、タナに関してもヒロで表現する人が意外とおおいです。

これは結構困ります。腕を広げた長さは人によって違うからです。小柄で手も短い私が一ヒロ計算すると160センチくらい。しかし長身の人が一ヒロ計ればもっと長くなります。

タナがシビアな時はこの数十センチが大きな違いにもなりますし、2ヒロ、3ヒロと増えるごとに誤差は大きくなってしまいます。

ただし、タナをヒロで言われた場合は単純な仕掛けの長さ(水面からの計算)になるため、おおまかに一ヒロ160~170㎝と計算して微調整をしていくと良いと思います。

釣り初心者の人は少し難しいですが、タナを意識して魚が食うことろでベストな状態のエサがあるように釣りを組みたてれば、より奥が深い楽しみ方ができると思います。


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