暴風雨の海上釣り堀!過酷なコンディションの釣り方と注意点

ほとばしる波しぶきと、立っていられないほどの強風。海の上は風を遮るものがないため、陸地とは比べ物にならないほど強烈な風が吹きます。こんな日はそもそも釣りに行ってはいけません。最悪死んでしまいます。しかし、海上釣り堀で釣りをしているとそうもいかないこともあるんです。

釣り堀自体はガチの台風でもない限り営業をしてくれることが多いです。さらに釣り堀は「予約制」ですから、予約した日に都合悪く低気圧が発達することもあります。こればかりは読めないため、悪天候の中でも釣りを余儀なくされることはあります。

今回は強風時の対策と、釣り堀における注意点についてまとめてみました。

戦術1:エサが必要以上に動かないようにする工夫

波風が高い時は釣りづらくなると同時に、魚の食いも非常にわるくなってしまいます。手持ちで竿を持っていると釣れないのに、置き竿で放置したら食ってきたという経験はないでしょうか。手の動きによる微妙な動きがエサに伝わり、魚が違和感を感じてあと一歩食い込まないということがあります。

狙ってやる「誘い」とはまた別物で、不必要な仕掛けの動きは魚を警戒させてしまうのです。強烈な波や風で終始仕掛けが動くのは、これと同じような状況になっていると考えられます。できる限り水中のエサが動かずに漂わせることで食ってくることがあります。

脈釣りでの対策としては、重めのオモリを使います。重さとしては、0.5号、0.8号、1号ほどのオモリであれば繊細な竿の感度を殺さずに仕掛けを沈めることができます。

メリットは、重いため風に流される前に早く仕掛けを沈め、狙った位置からずれない。さらに、オモリの抵抗で水中の仕掛けが舞い上がらないので、タナにエサを固定することができます。魚が食った際にも穂先に抵抗が乗っているのでうねりの中でもアタリが伝わりやすくなります。

必ずしもこれで釣れるわけではなく、魚に仕掛けを見切られる可能性もゼロではありません。ただ、どうしようもないくらい風が強い時には、まず仕掛けを届けて安定させないと釣れるはずの魚も釣れません。作戦は常に「いろいろやろうぜ」です。

ジグヘッド型の仕掛けでダイレクトに掛け合わせる

もう一つ、ジグヘッド型の仕掛けを使ってダイレクトにアタリを取る方法があります。ジグヘッドというとルアー釣りの道具ですが、最近は釣り堀用として開発された、太軸のフックを使ったジグヘッドが売られていますね。虫ヘッドパワー、海上釣り堀用ジグヘッド、ボリーBollyなど他にもあると思います。

ジグヘッドの利点は、途中に余計なものがなく直接エサに繋がっている点です。魚がくわえたときに何かしらの魚信が直接伝わるので、食ったと同時に掛け合わせていくことで釣れる可能性が高まります。

普通の仕掛けで強烈なうねりの中釣っていると、エサが浮きすぎてしまってアタリが伝わることなくエサだけ取られてしまうということが頻発します。エサがなくなるから何かしら食っている…という様子が確認できれば、仕掛けをチェンジしてみると釣れることがあるのです。

今回はこの荒波の中、ジグヘッド「Bollyボリー3.5gのイエロー」を使ってマダイを追加することができました。ボリーでは以前シマアジも釣っていますので、ジグヘッド型の仕掛けは状況次第で色々と使えるのではないかと思っています。

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戦術2:ウキ釣りではどんぐりウキを沈め気味に調整

ウキ釣りがメインの人は、磯釣りで使うどんぐり型のウキを使うのが定番の対策方法です。

どんぐり型のウキは、荒磯のサラシの中なども攻略できる非常に潮乗りの良い形状をしています。本来は潮の流れをとらえて仕掛けを流すのに適したウキですが、釣り堀では小さな形状による安定性と、風の影響を受けない形状を買って使うのです。強風とうねりでもウキが乱舞することなく、視覚的にアタリを捉えることができます。

必ずしも軽いウキばかりではなく、大きめの浮力に対応した0.5号以上のウキも売っていますので、釣り堀でよく使う0.5、1号、2号を持っておくと色々な状況に対応できます。

とはいえ物が飛ぶほどの爆風の中では軽いウキの付いた仕掛けは風であおられて扱うのも困難になります。運よく風を背にできる釣り座を確保できているなら、ウキ釣りでいろいろやってみると良いと思います。

棒ウキでは本当にダメなのか?

海上釣り堀では小さなアタリを取るために棒ウキを使うことが多いので通して使いたいという意見もありますが、色々とデメリットが目立ってしまいます。

風が強いとウキが風で押されてまともにアタリを読み取ることができません。さらに魚が食ったとしても、波の影響で抵抗が増えてしまい口を離してしまうこともあります。

波の影響を減らすために多少沈め気味にしたところで、ボディ長くてが大きいので必要以上に振り動かされて仕掛けを安定させることができなくなります。こうした理由から、釣りづらく食わせづらくなるので、別の仕掛けも考えていくと戦略の幅が広がると思います。

注意点1:うねりで底のネットがたわむので根がかり連発

強風が吹くと沖からうねりが押し寄せてきて、釣り堀のイカダも大きく揺れます。イカダはしっかりとロープで固定されているので流されることはまずありませんが、海中に沈んでいるネットはうねりの影響で大きく変形してしまうのです。

ネット際は波の力でたわみ、大きく張り出すので底まで探ることができません。ネット中央付近を探っていても、うねりの影響でネットが押し上げられて底の水深が変化します。しっかりタナを取っていても根がかりが連発して、底付近にタナを固定することが極めて難しくなるのです。

うねりが強い時には、タナ取オモリで底の水深を測ったら、底よりも1メートル程度上げるなど根がかり対策をとらないとすぐに仕掛けがなくなるので気を付けたいです。

注意点2:荷物が飛ばされない工夫は必須といえる

今回は想像以上の暴風が吹き荒れて釣り堀を蹂躙していきました。荷物が飛ばされる人が多数で釣りどころではありません。

特に海辺では、海から巻き上げるような風が吹くので危険。平地では吹き降ろす風が吹くことが多いのですが、海辺は吹き上げるように風が舞うので、重量がある荷物でも簡単に浮いてしまうことがあります。

過酷な状況の一例は以下の動画に収めています

自転車の荷物固定用のゴム紐とかがあれば持って行きたいです。荷物をまとめて連結しておけば、さすがにすべて飛ばされることは無くなります。風が吹いてくる方向に重いクーラーなどで壁を作ってあげるなど荷物を並べる順番も工夫すると、突風のたびに飛ばされるということは少なくなりますね。

今回私はタックルボックスとして使っていたバケットマウス7000を吹き飛ばされました。なんとか荷物は回収できたものの、転倒のはずみで外れた蓋が海に落ちてしまい回収不可能になってしまいました。これは結果的に海のゴミにもなってしまいますし、釣り道具を失うので釣り人へのダメージも大きい。

今後もやむをえず強風時に釣りをするときはあると思いますが、これを教訓に海上風を甘くみず対策をして臨みたいと思います。本当に無事に釣りを終えることができて良かった。皆さんも冬の寒波による季節風と、春先の嵐にはお気を付けください。

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