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秋から冬にかけては魚に脂が乗る美味しい季節となります。その時期は余計なエサ取りが少ないし、釣りを存分に楽しめるのですが、一つ注意をしたいことは堤防の強烈な寒さです。海辺は内陸部より風があることが多く、寒いのに加えて北風が吹き荒れるので、体感温度は実際の温度よりもかなり低く感じさせられます。そこで今回は寒い冬の海釣りを乗り越える防寒着の選び方について解説をします。
まずは釣りの防寒の考え方ですが、以下の3つの異なる役割をもった防寒着を重ね着する(レイヤード)という手法をとります。
- 肌着:アンダーウェアで湿度調整をする
- ミドル:熱を蓄えて保温をする素材を着込む
- アウター:風を遮り外からの冷気を遮断する素材でガード
釣り用の防寒着を買ったけど思ったよりも暖かくない・・・と感じたことはないでしょうか?
釣りとはそもそも動きのあるものなので、動きを妨げず極度に汗などをかいて蒸れないような素材を使っていたりします。そのため着る組み合わせを間違えたりすると、寒すぎたり逆に熱くなって途中で脱ぎたくなるなどバランスが悪くなることもあります。
まずは堤防釣りでは防寒着をどのように組み合わせて重ね着していくのがおすすめなのか?釣りのスタイルに応じた防寒着や素材のチョイスを順に見ていくことにしましょう。
アンダーは保温力の高い下着が必須
まずは一番の下の肌に直接当たるものとしては、ヒートテックなどの発熱素材をアンダーとして着込みます。
伸縮性に優れた素材で冬でも吸湿性には優れたものが良いです。ただし釣りのスタイルによってアンダー選択に違いがでてきます。
動かない釣りは厚手の保温力重視で選ぶ
動かない釣りであるカレイの投げ釣りやブッコミ釣りでアイナメなどを狙う場合は、そもそも汗かくほど動かないので汗で発熱するものより「厚手で保温力重視」で選びたいです。
私も堤防で投げ釣りするときなどは、多少動きが鈍くなってもできるだけ体温を逃がさない、厚手のものを2着程度重ね着しています。釣り専用の高価なものでなくても普通の量販衣料で十分です。
汗で発熱する最新の素材は動きがある釣りで使う!
一方のメバリングやロックフィッシュを狙うなど冬の代表的ルアー釣り、もしくは冬磯でのグレ狙いフカセ釣りのような場合は「汗で発熱する素材」と呼ばれるタイプを着るのがいいです。夜釣りが多くなる状況でもあり、冬の堤防は相当冷え込みます。あまり着膨れしても機動力が落ちますから、薄手でも暖かい釣り用の衣料を着るのがおすすめです。
保温力の高い下着は、世間でブームになる前から釣り・登山用途などで着られてきました。一般衣料をメインに扱っているお店の下着も温かいものはありますが、釣具やアウトドア専門メーカーの販売しているものに比べると「釣りという動きや環境」までは考慮されていないです。厳寒期の夜釣りなどでフィールドに立つ場合は、多少奮発しても釣具やアウトドアメーカーの下着を選ぶようにしましょう。
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ミドルウェア中着はダウンがベスト
中着に着用するのは、薄手のダウンが近年は流行しています。ダウンジャケットの保温力は非常に高いうえに「暑くなり過ぎず体温を逃がさず保持してくれる」ところにダウンのメリットがあります。
釣りに置いては軽くて薄手で済むダウンは動きを邪魔しないので、メバル釣りや冬のフカセ釣り等では軽快な動きで釣りを楽しめますね。ユニクロをはじめとする一般衣料販売店でも、薄手のダウンについてはかなりのコストパフォーマンスを実現していておすすめできます。
よく間違いやすいインナーダウンとアウターダウン
※アウトドア用(釣りや登山用)ダウンには、インナーダウンとアウターダウンという2種類のダウンジャケットが存在します。意外とこれを見逃してる人が多くて、アウターにダウン着てるのに寒いというので確認したらインナー用だったという落ちが結構あります。
インナーダウンはその名の通り風をさえぎるアウターがないと防寒性には欠けますが、薄くて保温力がありますので重ね着で釣るスタイル向き。アウターとして作られるものは厚手であくまでも一番外側に着るのですが、ダウン自体が防水性には欠けるので釣り向きではないかも。
ダウンを釣り用途に買うならばインナーダウンを買い、その上から防水性に優れて風を通さないアウタースーツを着込むというのがベストな選択といえると思います。
アウターは防風・防水で釣りによっては「透湿効果」の高いもの
最後はアウター。外の冷たい風を遮って体が冷えるのを防ぐのと、ミドルで蓄えた暖かい空気が逃げ出さないようにします。
アウター選びでも気をつけたいのが、動きのある釣りか動きの無い釣りかでも分けて考えるという必要があること。動きの無い投げ釣り等は極端な話、真冬の路上警備員さんが着てるような極厚で思いコートが安くて最強。しかしルアー釣りやフカセ釣り、テトラでの穴釣り等は動き回りますから、想像以上に汗をかいたりするのでインナーが蒸れてしまいます。
衣服の蒸れは、体の動きを重たくしてパフォーマンス低下の原因となります。パフォーマンスが低下すると疲れの原因になるので、集中力が下がり釣果が振るわなかったり、ケガの遠因になることもあります。このため動きの多い釣りほどちょっとアウターには奮発をして、透湿素材の釣り用ウインタースーツなどを購入されるのが良いのです。磯釣りでは波も被るし強烈に寒いくせに、動くと汗かくような環境では必須といえます。
アウトドア用透湿素材といえば、ゴアテックスが真っ先に上がりますが、予算のない方はメーカーが独自に出している透湿防水素材を使用したウェアを選んでみてはいかがでしょうか?ゴアテックスほどのブランド力がないものの、世界の最先端技術をリードする日本の素材メーカーのものであれば値段ほどの差がないものです。
釣り用アウターとして有用なのはレインウェア
アウターにまでかけるお金がないという人は、夏にも着用していたレインウェアを着るとよいです。レインウェアは通気性がないため、冷たい風をシャットアウトしてくれます。
熱くなると群れて汗が溜まるようになるため、透湿防水の素材があると快適ですが、とりあえずウインドブレーカーとして風を遮るだけでも保温性はかなりのものになりますね。
※これでも寒いという寒がりさんは、貼るカイロを体の至る所に貼れば、じわじわと効いてきて快適な釣りができます。あまり安い服を重ね着すると、意外に重くて着膨れして肩こりや疲れの原因になるので注意をしましょう!
竿を持つ手がかじかむときに必須のグローブ
しっかりと重ね着を着込んでも、最終的に寒がりを悩ませるのは「手」です。
釣りという特性上どうしても釣り竿を常時持たなければいけない。リールを巻くのも手を使うし、餌付けやライン結びなど手が快適に動くかは重要。しかし、強烈な寒さでどんどんかじかんでいき、手が固まってラインが結べない・・・という経験はないでしょうか。
冬こそ奮発したいものとしては、防寒性に優れたフィッシンググローブです。
冬用のフィッシンググローブは、5本指のうち親指、人差し指、中指の先端までしか露出していないものが一般的です。釣りの動作で指先が必要になる指だけを残して、あとは通常の手袋のようにガードする。これに加えてゴム素材を張り付けて冷気が入り込まないような作り、水をはじく作りになっているものが売られています。
メーカーによってコンセプトはほとんど同じですが、小型ホッカイロを内蔵できるポケットが用意された凝った作りのものもあるので、冷え性の人は手袋にお金をかけると冬の釣りが快適になりますね。
まとめとして、釣りの防寒は釣りのスタイル(釣り方・狙う魚)によって考え方がことなるということです。暖かくするのが目的ですが、熱くなりすぎて快適な釣りが損なわれるのは得策ではありません。釣り用だからと何でもかんでも使えるというわけではなく、それぞれの素材が持つ保温性を調べたうえで、動きやすい重ね着をしていくようにしましょう。