梅雨の時期で雨が降ろうとも、魚が待っている海に行かなくてはいけないのが釣り師の宿命。
しとしと降る雨のみならず、夏場は急な天候の変化で夕立が降るなど、レインウェアが釣りで大いに活躍してくれます。
しかし釣具店でレインコーナーを見て、あまりのアイテムの多さにどれを選んでいいのか解らない!と迷った方は多いと思います。
以前はオーソドックスなカッパが主流でしたが、釣りもファッション性や機能性が重視されるようになってきました。
単純に雨を凌ぐだけではなく、蒸れない快適素材やライフジャケットと一体化するものなど機能も色々。機能特化のレインウエアも増えてきて、船釣り専用や、ルアーマン向けなどがあります。
今回は釣りの用途・使うシチュエーションにも焦点を当てて堤防、磯の海釣りに適したレインウエアの選び方のチェック項目について説明していきます。
釣り用レインウエアの選び方のポイント
レインウエアの必須機能は水を通さないこと! と、重視している人が多いと思います。
しかし釣りは季節問わず思った以上に汗をかきますから、内部が蒸れてベトベトになってしまうことの方が大変だったりします。快適な釣りのためには水を通さず、かつ「蒸れにくい素材」を使ったものを選ぶのがベストな選択です。
夏用のレインウェアでは、内部にメッシュ地の内布が張られてるものもあり、汗を蒸発させてカッパが肌にくっつく不快感を低減しているものもありますね。機能的な部分もチェックすべきですが、一番に選択するべきはどんな素材を使っているか?という点です。
防水・透湿素材の違いで選ぶ
釣具メーカーや、アウトドアブランドでよく使われている、最強素材は「ゴアテックス」が有名。ゴアテックスは外部の水滴は通さず、汗の微量な水蒸気は外部に発散するという防水・透湿機能があります。私もゴアテックスを持っていますが、濡れた状態で着ても自然に乾いていく不思議な感覚はゴアテックスならでは。ムレにくさ、防水面に優れて耐久性もあります。
ゴアテックスは価格が高いのがネックで商品相場は2万円以上します。素材に耐久性があるため、長年大事に使う方にはおすすめです。1日雨の中でも釣りする方、釣行回数の多い方は投資してみるのもいいですね。
最近では国内メーカー(東レなど)が開発した、防水・透湿他の素材も普及してきました。ダイワ・シマノが採用して売り出したりしており、価格面ではゴアテックスより遥かに安くなっています。国産素材のレインウェアも持っていますが、防水・透湿機能的にはほとんど変わらないので価格に妥協しても問題はないです。
ただし耐久性の違いは長年使ってみないと分かりません。内側の防水・透湿膜が剥がれてきたら寿命です。ちなみに私のゴアテックスカッパは16年使っても現役でいけるくらい耐久性には信頼もって使えています。
袖口、ズボンのすその防水性を確認する
ルアー釣りや磯釣り等で、常に動きのある釣りをする場合は、袖口から水が入り込んだりします。
袖はベロクロ(バンドで閉じれる機能)がおすすめ。腕を上げる動作の多い釣りでは、袖口の防水性をしっかり確認しましょう。袖の内側にネオプレーンのリストバンドで2重構造になっているものは、さらに水の入り込みを防げます。
エギング、アジング、メバリングなど移動が多くて手の動きも多いルアー釣りならば、袖口はしっかりしたものを選ぶと快適な釣りになります。
波を被ったりする磯釣りでは、ズボンの裾もベロクロになっているものを使うことで足元からの不意な水の進入を防ぎます。滑り止めブーツを履く方は、すそをブーツにかぶせられるように大きく開けるか?もチェックしてください。
ポケットや、ファスナーの利便性
メインのファスナーは塩やサビで固着してしまう金属製はさけ、プラスチック製のものを選びましょう。金属のほうがしっかりしていそうですが、釣り用のレインウェアに関しては強化樹脂を使ったものに分があります。
ファスナーを閉じるとカバーが閉じてくれる、ポケットの部分は防水ファスナーになっているアイテムもお勧めです。水に濡れたくない小物や、タバコなどを吸われるなら防水性ある収納があると便利です。
フードの使い勝手
フードをかぶったときに、キャップのツバで固定出来る物や、顔の周りを閉じられるものが、防水防風面で使いやすいです。フードの周りにゴムひもが通してあり、間口をせばめられるようになっていると強風でも安心です。
レインウェアをウインドブレーカー代わりに使う場合は、使わないときにはエリに収納出来るタイプが良いでしょう。
その他のレインウェアの機能性
内ポケットにコードがあり、スマホや財布等の落下防止出来るものがあります。胸のあたりにピンオンリールを付ける場所があると、小物をぶら下げることができて便利ですね。
海釣り公園オンリーでにわか雨対策なら何でも良い
ここまで釣り用のレインウェアのこだわりや特徴を解説してきたわけですが、動きの無い投げ釣りとかサビキ釣り等がメインならば数千円のレインコートでも十分です。
海釣り公園しか行かないとか、設備の整った足場の良い堤防ではゴアテックスなどはオーバースペックかも。
雨や水しぶきの中でもガッツリと釣りを楽しむのか、のんびりと釣りをして急な天候変化への保険として使うかで必要な装備は変わってきます。
冬も兼用する場合には防風性重視で
レインウェアは雨を凌ぐだけではなく、冷たい風をシャットアウトする防風性能もあります。夏も冬も兼用する場合には、重ね着(インナー)を着たときに違和感なく着れるサイズである必要があります。
昔よりタイトなデザインが増えましたから、ぴったりサイズ過ぎても十分に着こなせないこともあります。ダボダボ過ぎても風でバタバタうるさいですし、寒い時期はレイン内の空気が逃げ、寒さの原因になります。
最近は発熱素材の薄手のインナーも普及していますから、そこまで余裕を考えなくてもよくなりました。できる限り重ね着も意識したいなら、釣具屋さんで試着して買うようにしましょう。
チェック項目を参考にしていただき、快適なレインウエアが見つかるとより楽しい釣りになりますよ!