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海上釣堀のベテラン御用達と評される、アタリが取りやすい繊細な穂先があるらしい。
釣堀仲間から教えてもらったのが、滋賀県の釣り具屋大郷屋(OZATOYA)が販売するミャク釣り用穂先。
普段脈釣りをメインに釣りをしている私としては気にならないわけはない。ただ、外部の穂先を使うということは色々な懸念もありました。
竿全体のバランスが崩れて釣りにくくなのではないか?繊細だが青物が掛かっても大丈夫なのか?と、思っていましたが、ものは試しで使ってみたことをまとめてみます。
海上釣堀脈釣り王繊細<SENSAI>のインプレ
海上釣堀脈釣り王繊細<SENSAI>を購入してみました。
購入先は大郷屋の楽天ショップから。
穂先は既存のメーカー製の穂先径に合わせて多様なサイズが網羅されています。
適合品番が記載されているので、必ずよく確認して手持ちの竿に使えるかを判断して買いましょう。
手元に届いた穂先を見てみると、ガイドが固定された1本ものです。振り出し竿にセットするものですが、下からではなく上から差し込んで分割の並継ぎのように固定するタイプ。
オレンジとイエローの蛍光マーカーが塗られています。雨や曇りの日でも視認性がよいカラーリングになっています。ほとんどの市販竿は、脈釣り穂先はホワイトになっており、天候が悪い日の視認性は落ちるのでこのカラーは良いですね。
宇崎日新のプロスペック海上釣堀の穂先を大郷屋穂先に変更
海上釣堀脈釣り王繊細<SENSAI>#6-Sを宇崎日新プロスペック海上釣堀H3604にドッキング。
いつも愛用してるのはクラブブルーキャビンM400さぐり釣り。本当はこちらの穂先を変えるのが良いのでしょうが、今回は比較をしてみたかったので宇崎日新の竿用を買いました。
トップガイドをライターなどであぶって外し、第一節を抜き取ってしまいます。こちらはまた瞬間接着剤などで戻せるので、無くさない様に取っておきます。
穂先をセットしてみると、3㎝くらいのところで少し膨らんでいてしっかりと固定されるようになっていました。しっかり刺さるので抜けるような心配はありません。
市販脈釣り竿の穂先と柔らかさを比較してみる
今回は私の持っている脈釣りの竿と、穂先の柔らかさを比較してみました。
大郷屋の穂先は、「軽いオモリでもアタリが取りやすい」というのがウリですので、軽めのオモリ負荷で先端のしなり具合を比較してみます。
- 大郷屋海上釣り堀脈釣り王<SENSAI>
- ダイワクラブブルーキャビンさぐり釣りM400
- 宇崎日新プロスペック海上釣堀際釣り240
それぞれ脈釣りに特化しており、私が普段使っている竿を並べてみます。こちらに同じ太さ(3.5号フロロ)のラインを通して、同じ位置にガン玉を打つことで穂先の動きを見てみました。
写真で比べてみると、同じ繊細穂先とはいえ微妙に異なっているのが分かります。
繊細であれば軽いオモリでもラインの張りを感じ取ることができるので、小さくついばむような居食いのアタリが取りやすい。
軽く食い上げたときなども、直に穂先が戻るのでイサキやシマアジの食い上げアタリが取りやすくなると思いました。
大郷屋の穂先に関して思う疑問と使用するうえで気を付けたいこと
青物が掛かっても大丈夫なの?折れない?
まず海上釣り堀では色々な魚が釣れます。特に大型の青物が意図せず食ってくることもあるため、強い引きに接合部が耐えられるのか?という不安を持たれる方も多いとは思います。
ただこれはどの竿にも言えますが、穂先の先端部分はどれだけ繊細でも魚の引きでは折れません。魚の重みは竿の曲がりと共に徐々に手元の丈夫な位置へと移動していき、負荷がかかる部分というのは竿の丈夫な位置に来るように設計されています。
心配するべきは穂先の部分ではなく、竿全体の強さや負荷がかかる部分の剛性です。ベースとなっている竿が青物を取れる設計であれば、無理せず竿の曲がりを維持して弱らせれば青物相手でも問題は無し。
大郷屋の穂先は、30㎝ほど曲がると元の竿部分と同調するように曲がり込んでいくので、特に大型が掛かっても不安になるような曲がり方ではありませんでした。
オモリ負荷は小さいので気を付けたい
注意すべきはオモリの負荷です。0(ノーシンカー)~2号とされています。
重いオモリを使うとなぜダメか?これは繊細な穂先が持っているメリットを消してしまうからです。
オモリが重いと穂先は大きくもたれてしまい、柔らかな反動が発揮されません。
小さなアタリが分かりにくくなるとともに、竿の抵抗感が魚に伝わってしまうため自然にエサを食わせるということが難しくなります。
結果的に釣れるチャンスそのものを少なくしてしまいます。
オモリが大きいと早くタナまで仕掛けを送れるので扱いやすいのですが、大郷屋の穂先を使うときはオモリはできるだけ軽くしたほうが良いです。
穂先の破損を防ぐために仕掛けの扱いは丁寧に
2号以上のオモリを使わないのにはもう一つ注意点があります。オモリの重さは穂先に負荷をかけてしまうということです。
魚の重い引きであれば、竿の丈夫な位置が曲がって引きを吸収していきます。この間先端はまっすぐになっているので負荷はかかっていません。
しかしオモリでは穂先部分に負荷が集中するため、ちょっとした反動で折れてしまうことがあります。
雑に扱って穂先にオモリが当たったり、糸を巻きすぎてオモリが巻き込むようなことがあれば簡単にペキッと折れますので注意が必要です。
ウキ釣りとして使うことも可能
脈釣り用の高感度穂先として作られていますが、ウキ釣りとして使うことに問題あるわけではありません。
竿で届かないイケスの中央を狙ったり、遠投して遠くから誘ってきたい場合などはウキ釣りが有利です。
兼用として使う場合は、ウキ止め糸やウキ止めオモリ、サルカンなどを予めセットしておけばすぐに釣り方を変えることもできます。
軽めの棒ウキを使って中央付近を探ったり、ドングリウキなどを使用して広い範囲を探るという使い方が良いと思います。
実釣!大郷屋の穂先の感度は使い慣れた竿と比べてどうか?
さて、海上釣堀にて大郷屋の穂先を使って実釣してみます。脈釣りの精度を上げてヒット率を変えてくれるのか?
厳密には竿の長さや張りの強さでも感度は変わるので、同一の竿で穂先だけ変えたいところですがこちらは後日検証します。
あくまでも穂先の動きとか変化によって釣りが変わるのか?という視点で比べてみて、良ければメインで使っているクラブブルーキャビン用の穂先も発注する予定です。
仕掛けは同じで、クッションゴム無しでハリスの同位置にガン玉をセットして使うやり方。
まず穂先の柔らかさが違うので、軽いオモリを使った時の操作性は段違いです。仕掛けが張っているのか浮いてるのか、魚が咥えてるのか波に流されてるだけなのか?穂先という視覚で得られる情報は格段に大郷屋穂先が上。
簡潔には、手元に伝わらない小さなアタリを、穂先の動きとして見せてくれること。
ちょっとした食い上げのアタリや、魚が寄ってきているなという小さな前当たりのようなものを取ることができます。
クラブブルーキャビンでも十分良い感度でしたが、さすがに小さなアタリまでは分かりづらい。手元に振動が伝わるということは、魚にも抵抗を与えていることになるので口を放す可能性もあります。
オモリを少し重くして、1号をセットしてみます。しかし柔らかすぎる穂先のため、曲がりをオモリの重量で失ってしまうので穂先の変化でアタリを取るというのが難しくなります。
やはり穂先が数センチもたれる程度の、軽めのオモリ(ノーシンカー~5B程度まで)を使うことで最大の感度が発揮されると感じます。
手元に伝わるほどのアタリでしたら既成の脈釣り竿の穂先でも十分にわかるのです。それでは伝わってこない、微妙な魚のついばみとか、軽く食い上げたときの変化が視覚的にわかるというのが大郷屋穂先の最大のメリットでしょう。
上手くメリットを生かした状態で釣りができるように、仕掛けのバランスを考えていく必要がありますね。
- ネット角の際釣りで食い上げるイサキのアタリ
- 中層でコツコツついばむシマアジのアタリ
- 落下途中から食ってくるマダイの居食いアタリ
こうした見逃してしまいがちな魚のアタリをとらえることで、今まで掛けれていなかった魚を釣り上げる可能性を高めてくれます。
竿でアタリを楽しむというのが脈釣りの面白さ。手元に伝わるアタリだけではなく、視覚的にも感度を高めてくれる買ってよかったパーツであると思いました。