良型のキスを求めて、福井県は敦賀湾の穏やかな海へボート釣りをしてきました。キスは5月半ばころから釣れ始め、シーズン初期は型がデカいのが嬉しい。刺身で食べれるサイズが釣れるので、引き、食味共に楽しめる釣りです。
しかし、本命はキス…ではなくコウイカ、アオリイカを狙ったエギングだったのですが、当日は潮が動かずアタリすらない。釣り餌屋さんでもここ最近のお客さんではイカの釣果を聞かないということ。朝マズメのみエギングをして、日が昇ったら早めにキス釣りに切り替えてお土産を確保する作戦でいきました。
釣行日は風もないベタ凪の晴天。前日は大雨で多少水潮になっているのを危惧しましたが、適度に小魚の群れらしきもの確認できて海の状況はまずまずといったところでした。水温は15℃と5月末にしては低め。
エギング+キスの二本立てするもイカは撃沈
国道8号沿いにある釣り餌スーパー越前さんにてボートをレンタルし、イシゴカイを一杯購入したらすぐさま海へGO。出船時間は5時丁度で、もう十分に明るくなっています。
まずは海底に根があり、沖堤防と沖堤防の切れ目にあたる部分でエギを沈めていきます。海底をネチネチと攻めてみるもアタリ無し。同行した友人も釣れておらず、堤防に上陸したりポイントを変えつつ探ってみますが一切の反応がないまま2時間ほど経過してしまいました。
日も登ってきたので早々にイカをあきらめ、キス釣りの準備に入ります。
幸先よく竿が絞り込まれて15センチほどのキスがお目見え。キスは居た!ということでひとまず安心し、サイズアップと数釣りを狙って手返し良く仕掛けを落としていきます。
キス狙いなら海藻が生えていない場所を狙って仕掛けを入れる
よく見ると海底には背の高い海藻が茂っているのが確認できます。いかにもイカの産卵に適してそうな場所で、仕掛けを入れると海藻が引っかかってきてしまいます。
キスは海藻のある場所にはいないようで、海藻の切れ目や、流れがあって海藻が生えていない場所でしかアタリがありませんでした。初夏はまだ海藻がたくさん生えていることがあるので、偏向グラスを使いつつ海藻が生えてない場所に落としていくのが良いと思います。
基本的には砂地でどこでも釣れそうな雰囲気ですが、群れが少ないのかポイントが狭いのか、アタリがある場所はピンポイントです。今日に限っては一か所で粘っていたほうがキスのアタリがありました。
仕掛けを「さびく」のか「ボートを流す」のか?
例年通り、手のひらを優に超えるサイズのキスが竿を絞り込みます。刺身で食べたら絶対にうまい!天ぷらは言うまでもなし。
ここでひとつ気づいたことがあります。キスがヒットするのが、潮の流れに乗せてボートを流しているときに集中しているのです。
一般にキスは海底を移動し続けており、仕掛けを投げ込んで放置よりも、ゆっくりと動かしていくほど食いが良いです。砂浜からの投げ釣りなどでも、ゆっくりと竿を引いて仕掛けをずるずると動かす「さびき」という釣法が効率よくキスを釣る手法です。
そこでボートでもさびきを試してみたのですがこれがうまく釣れてくれませんでした。
アタリがあったポイントにアンカーを打ち、ボートを固定します。仕掛けを少し遠めに投げ込み、アタリがあったポイントをゆっくり通過できるように、少しづつ仕掛けを巻いてはさびいてみたのです。しかし、これが全然釣れなくなってしまいました。
釣れてくるのはメゴチや穴ハゼなどキス釣りではお馴染みの外道ばかりです。
仕方なくアンカーを上げてボートを漕ぎ、同じポイントへ仕掛けを流していくとバタバタと連続で釣れてくるではないですか。再びボートを移動して同じポイントを流すと、同じように流している途中でキスが食いついてきます。
再びボートを止めて仕掛けを流すと釣れなくなってしまう。
微妙な潮の流れ、流れるスピード、流れている際の仕掛けの位置、いずれかでもキスに違和感を感じさせてしまうと、警戒して食ってこないのかもしれません。エサを落とせば食ってくるものでもなく、効率よく釣ろうと思うと難しい釣りです。
キスをエサにした泳がせ釣りでは謎の大物+良型カサゴ
小型のキスが釣れたので、こいつをエサにして大物のヒラメやマゴチを狙ってみようと泳がせ釣りをしてみました。
仕掛けは簡単に、ナス型重りをセットしたスナップに、市販のセイゴ針のセットを結んだだけ。シンプルイズベストです。
キスは動きを重視して鼻に針を手早く差し、海に放り込んでアタリを待ちます。ボートからの場合は、ボート直下に仕掛けを落とし、着底したら20センチほど巻き上げたほうが根掛かりを防ぐことができます。
狙って釣れるようなものでもないので、仕掛けを入れたらアタリを待ちつつキス釣りを続行。運が良ければ良型の魚が竿を絞りこんでくれるはずです。
…とアタリは突然やってくる。
ゆっくりと堤防と堤防の間を流していたら、竿がゴンゴンッと大きく曲がり、そのまま海面に突き刺さりました。何か大型の魚が食った!と思い一呼吸おいて合わせると、根掛かりしたように重い。ゆっくりと浮いては来るので根掛かりではない。ドラグを締めてゆっくりと浮かせてきたのですが、海面まであと少しのところで魚が大きく暴れ、ほどなくフッと軽くなってしまいました。痛恨のバラシです。
しかし何かしらのフィッシュイータは居ます!気を取り直してもう一度。バケツに生かしておいたキスをハリにつけ、ポイントを変えて流していると、今度は仕掛けを入れてほどなく大きなアタリがありました。
しかし先ほどの魚よりはずいぶんと軽い。念のため慎重に上げてくると、顔を見せたのは良いサイズのカサゴちゃんでした。
泳がせ釣りでは色々な魚が食ってきます。カサゴも非常においしい高級魚であり、嬉しい外道といえますね。
時間にして10時頃。日も登り切ったのに潮は相変わらず動いておらず、キスのアタリもなくなってしまったので泳がせ釣りもここまでです。
結局20センチ以上の良型キスを4匹に、その他15匹釣り上げて納竿。キス釣りだしもっと数釣りを楽しみたかったですが、なかなか思うようにはいきませんね。
反省点を上げればきりがないくらいお粗末な結果となりました。朝一番イカ釣りで時間を消耗したのもありますが、ヒットパターンを早めにつかんでいればもう少し数も伸ばせたのではないかと思います。
キス釣り自体は今後どんどん上向いてきますし、敦賀湾周辺のアオリイカは6月末ごろでも釣れてくるのでまだまだチャンスはあります。気候的に快適な釣りができるのも今のうちなので、美味しいキスが釣りたいと思ったら試行錯誤して数釣りを楽しんでみてください。