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毎年高水温とともに釣れ盛るようになるキジハタ(アコウ)。2018年は低水温が続いていましたが、ここ数日の猛暑の影響で水温も一気に30度近くまで上がり、キジハタの群れも入ってきていることが確認できました。今後は11月ごろまで各地の堤防でキジハタ釣りが楽しめそうです。
今回は魚影の濃い日本海側北陸エリアにて、ルアーとエサを使って色々なパターンでキジハタを釣ってきたのですが、海の状況によりキジハタの捕食パターンが刻々と変化してルアーやアクションを使い分けないと口を使ってくれない難しい状況でした。
シーズン真っ盛りのキジハタの数釣りを楽しむために、食いのパターンや釣り方について改めて検証したことをまとめてみました。
海況で変わるキジハタの捕食パターンと対策
今回釣行したのは福井県敦賀湾内の波静かなエリア。沖堤防が点在し、手漕ぎボートで釣りする人も多い穏やかな海域です。
基本的にキジハタ釣りと言っても難しいことはなく、バスなどと違ってエサやルアーにスレるということはまずありません。基本的なアクションや釣り方に関しては以下の記事でまとめていますが、最も重要なのはキジハタが今何を食べているか?を考えてアタリを探っていくことだと思います。
キジハタが入れ食い!釣れるワームの選び方とヒットパターン検証キジハタ釣りで一番よく釣れるエサは何がいいのか検証してみる朝一番、天気は良好で風も一切ない穏やかな海。俗にいうベタ凪で海面は湖のように落ち着いています。
釣りという点で見ればベタ凪は厳しいことが多いのですが、海面のあちこちで魚のボイルも上がっている悪くない状況です。
堤防の回りにも小鯖らしき群れが集まり、さらに小さな小魚を追いまわしては海面を波立たせています。これは今日のベイトは小魚かと思い、2.5インチの小さめの根魚用グラブを7gのジグヘッドにセットします。
弱った小魚を意識し、中層からボトム付近を泳がせる。時折大きくロッドをしゃくってはねた後、ゆっくりと落としていくなどいつものキジハタ定番アクションで攻めてみました。
ところが沖の沈みテトラ付近で1尾掛けたのみで、以後全く続きません。まさか今年はまだキジハタ開幕していないのか?と落胆しかけました。
ベタ凪の堤防では堤防基部の穴でエビ・カニに好反応
ここで同行していた友人が連続でキジハタを釣り上げるようになりました。様子を見てみると、使用しているタックルはチヌを狙うための落とし込みタックル。PEラインにフロロリーダーをセットし、エビやカニを模した1センチほどの小さなワームを堤防の際に落とし込んでいたのです。
よく見ると堤防の岸壁には大きな穴が規則的に空いており、その中にキジハタが潜んでいて泳いでくるエビやカニを捕食しているようでした。
同じパターンを狙ってみますが、装着しているワームが大きいのか見向きもしてくれません。出だしでは大きく釣果に差を付けられてしまいました。
キジハタでも活用できる小型ワームを使った落とし込み釣り
友人はチヌを狙っていたとのことですが、落とし込みパターンはキジハタでも十分に通用するようです。
ある程度水深があり、キジハタが居付くような根や穴がある必要ありますが、キジハタはカニを食っていることが非常に多いので堤防際は格好の餌場になっている可能性があります。
沖に投げて食わない時には、クロー系やカニを模したワームを落とし込むか、堤防を歩いているカニを捕まえて落としてやることで食ってくることもあります。
風が出て波立つと同時に堤防より離れたエリアで食いが立つ
日が昇ってくるとともに、風が出てきて海面もバシャバシャと波立ち始めました。
程よい波気で魚の警戒心が解けるにはちょうど良い感じ。大型のキジハタが活動始めるかもしれないと思い、大きめのワームであるエコギアバルトを10gのジグにセットして遠投してみます。
堤防の近くまで引いてきたとき、軽いボトムバンプの直後にガツンっと大きなアタリが出ました。ブンブン首を振りつつも下へ下へと突っ込んでいく動きからキジハタと確信して強引に根から引きはがします。
上がってきたのは30オーバーのキジハタ。堤防から狙うにはそこそこのサイズです。以後同じように連続ヒットして完全にパターンにハマりました。
ワームのカラーも関係しているのか?と思い、同じようなデザインのダイワKJグラブを付けて投げると一投目でヒットしてきます。カラーには関係なく食ってきました。
ヒットしたポイントは、堤防から10メートルほど沖の海藻が良く引っかかる点に集中していました。恐らく海面が波立ってうねり出したため、小魚の多くが海藻の回りに身を寄せてきていたのではないでしょうか。それを狙って、堤防の周辺に潜んでいたキジハタが獲物を狩りに動き出した。
後半戦は、ひたすらシャッド系の大型ベイトで沖のビッグワンを狙っていた私の独壇場とすることができました。
落としてややステイすると食ってくるパターンもあった
一方で、前半で釣りまくった友人も同じようにワームを変えて攻めますが苦戦していました。
今回アタリを分析していて思ったのが、コツコツっとアタリがあるもののフッキングしないことが多くあったのです。
そこでアクションさせた後、わざと長め(2、3秒)動かせず海底でステイさせることで、ガツガツと食い込んでくることが分かったのです。
一般にルアー釣りで底に3秒近くもステイはさせませんが、食い込まない時には放置して食わせるのもキジハタ相手には良いのかもしれません。
キジハタは豪快にエサを一飲みするのでアタリと同時に即合わせで釣れるのですが、反応が渋い時にはステイの時間を多めにとるか、ジグヘッドを軽いものにしてゆっくりしたアクションに切り替えると食い込むこともあります。
色々試行錯誤してみてハマった時の嬉しさはまた格別ですね。釣った魚が高級魚たるキジハタであればなおさらです。
まとめ:集まってくるベイトの種類と行動に合わせたルアー選び
今回は海況によりキジハタの捕食パターンが明らかに変化していきました。捕食する場所も移動している様子で、朝方釣れなかったポイントで昼頃に爆釣という状況。
改めて思うのは当日キジハタが捕食しているベイトにルアーを合わせるのは重要!
なにせ隣で友人と同じように釣っていても、ルアーの違いで食いに大きな差が出るのです。特定のベイトに執着する傾向があるのかは分かりませんが、捕食しやすい対象に意識が向くことで効率よくエサを確保しているのかもしれません。
以下にキジハタの今の捕食対象を見極めて、ルアーのチョイスを行いアクションさせていくかがカギになるのではないかと思いました。
キジハタの胃袋には、カニ、エビ、ハゼ科の小魚、小メバル、アジ、イソメ類が入っていることが多いです。もっとも目にするのはカニと小魚ですが、これらはよく捕食していると考えられるため、持っていくワームも異なる形状のものを複数使ってアタリを引くのが良いと思います。
今後はさらに群れも入り、型も良くなってきます。熱中症や熱射病には十分注意して、夏のキジハタを仕留めてみてはいかがでしょうか。