パラオの釣りはトップゲームで多彩な魚が釣れるGT以外にも面白い楽園だった

パラオGT釣行3日目。先日、長年の目的であったファーストGTをキャッチするも、やはりGTを釣るとなればサイズにこだわる欲がでてきてしまいます。

熱くなった気持ちを抑えつつ、3日目も丁寧にGTのポイントへルアーをキャスト。トップに引きずりだすために、一投ごとに気を抜かずに釣りをしていきます。

パラオGT釣行3日目は多彩なパラオの魚種を釣って満喫

静かな海に眠る零式艦上戦闘機

まずはライトタックルで浅場を攻めつつ、潮の動きを見ながらGT狙いに切り替える段取りです。ライトゲームではシーバスなどで使うサイズのミノーを使い、ハタやフエダイの仲間を狙うことができます。波も穏やかな海はまさに魚たちの楽園ですね。

釣り三昧の行程で唯一の観光要素として、太平洋戦争時に墜落した零戦を案内してもらいました。今もなお歴史を語る遺産がパラオのあちこちに眠っています。日程に余裕があるなら、観光として戦史巡りや、パラオ一番人気の楽しみであるダイビングをしてみてもよいと思います。とはいえ、釣りをしに来る人はとにかく釣りだけして帰る人が大半らしいですね。

浅場で引きずりだしたカスミアジ

友人がウルトラライトタックルでミノーを投げている横で、私はワンチャンを期待してGT用ペンシルを投げ続けます。

浅場のリーフエリアでもGTは出ます。基本どこでも大物は潜んでいるわけで、私は小物に目もくれずダイビングペンシルをキャストすることにしました。

いい具合にリーフの切れ目にルアーが着水。これは絶対何か起こると感じた直後、派手に水面を割ってカスミアジが食ってきました。

カスミアジは本当にきれい。一切の編集なしでこの魚体の色は自然界にしか出せませんね。GTとよく似た姿こそしていますが、いぶし銀のGTとは異なりスマートで癒される大好きな魚です。

根回りを攻めて水面を割るレッドスナッパー

サンゴ礁の切れ目であるチャネルというポイント。急なブレイクになって入り組んだ海底からもGTは飛び出す。

期待をしつつキャストすると出てきたのはレッドスナッパー。3キロ弱の魚体ですが、GT用のタックルでも十分楽しめるほど良い引きをします。

一度リーフに潜られて動かなくなるも、しばらく耐えていると運よくでてきてくれました。それにしても良い発色をしている。

小型のスナッパーも果敢にGT用ルアーにアタックしてくる

パラオ人はレッドスナッパーをよく食べるらしい。ホテルのメニューにも載っていました。これだけ肉厚なら美味しそうですが、日本近海ではシガテラ保有魚なのであまり食べない魚。こちらでは食べてるエサの関係で大丈夫なのだろうか。

途中私がスナッパーと戯れている横で、エリック自身がルアーをキャスト。なんと一投目でGTを釣ってしまいました。しかもあっという間に寄せてきて秒速でペンチリリース。あまりの鮮やかさに写真すら撮れませんでしたが、改めて正確なキャストとルアーを通すラインの重要さを気づかされました。

ベイトのど真ん中で派手にヒットしたサワラ

潮が動き出したのを見て、今度はベイトの群れを探してラン&ガンするスタイルで攻めます。

エリックの目はまさに千里眼。言われないとわからない海面の微妙な変化からベイトを見つけ、すぐさま風上にボートをつけてくれるのは本当に職人技。

うまくボートを流しつつ、プレッシャーがかからないようにキャストをしてベイトの群れの中にルアーを通す。弱ってはぐれた魚を演出して、フィッシュイーターたちに食わせる。

しかし、ここで問題発生。正確で距離を出せるキャストができるかどうかがこの釣りの大前提です。3日目ともなると疲れた腕が悲鳴を上げだし、握力が抜けて飛距離が出なくなってきてしまいます。気づいたら左手がしびれて腱鞘炎のようになっていました。

機を見てはエリックが代わりにキャストしてくれるのですがこれがまた規格外。まるでシーバスロッドのキャストのように、仁王立ちの状態から腕と手首のスナップだけで遥か彼方までブッ飛ばす…。いろんな意味で格の違いを見せつけられました。

他力本願キャストでベイトの群れの奥に届かせ、早巻きで表層を滑らせてきたところで、サワラがルアーを咥えて水面をジャンプ!エキサイティングなファイトを見せましたが、潜らない魚はやり取りが容易です。じっくりポンピングで上げてきたのはいいサイズのサワラでした。

友人とデカいなーって漏らしていたら、「まだまだ小物、パラオのライトターゲットだよ」とエリックには一笑。この海にはとんでもない化け物が潜んでいる。

GT用にセットしたドラグすら引き出す巨大ダツ

限界になりつつある腕を振り絞ってキャストを続けていると、遠くのほうでダツが水面を跳ねます。

ダツは鋭い歯でリーダーを傷つけるのでできればやり取りしたくない厄介者。しかしルアーにアタックした際にスレかかりし、GT用にセットしたドラグを鳴らすほどの強烈なファイトを見せてくれました。

まるで大蛇のような太く長いダツ。こいつに飛び込んでこられたら、そりゃ命の危険にさらされるわというヤバイ口をしていますね。色々な魚が食ってくる、本当にすごい海です。

GTのサイズ、数こそ友人に譲りましたが、釣った魚種の多さではリードし腕がパンパンになりました。豊かなパラオの海を満喫できました。

トップのキャスティングゲームで釣れる魚としてはマグロ、カツオ等の青物。変わり種ではナポレオンフィッシュなどもいるようで、まだまだ釣れる魚種はたくさんいます。

天候、ポイント、潮回り、ルアーの種類、アクション、飛距離などピースが噛み合わないと釣れないのが難しさでもあり面白さでもある。釣りの楽しみとハマる要因というのはどの国へ行っても同じですね。

港へ戻るとスコールが上がって虹が出迎えてくれました。

個人的に最終日のドラマは起こりませんでしたが、パラオの海を存分に感じさせてくれる魚たちとファイト出来て満足の釣行になりました。

激戦をくぐりぬいた道具は念入りに洗って終了

リールは海水を浴びているのでハンドルの可動部などは念入りに洗う

無事家に帰ったら休みたくなりますが、その前にやるのはタックルの整備。

外洋の高い濃度の塩分にさらされたリールをまずは洗う。ドラグを締めてから、シャワーの冷水で可動部分を洗っていきます。特にハンドルの取り付け部分やジョイント部分、ベールなどに塩が固まりやすいので、時間を置いたらもう一度洗っておくくらいがベストだと思います。

鋭い歯型でボロボロになったルアー

ルアーからフックを外して、一緒にお風呂に入って塩気を洗い流す。強力な貫通ワイヤーも錆びては強度が維持できないので、じっくりと塩を落としてから乾かして保管しておきます。

わずか数日でここまで錆びてしまった

フックも水につけ、先の曲がりなどをチェック。帰国するわずかな時間でも錆が進行しています。ペンチも錆びるし、ギンバルなどの止め金具も洗っておかないと容易に塩ガミしますね。

トラブルなく戦ってくれた道具をまず労わり、久しぶりにゆっくり入った自宅の風呂はまた最高でした。

撮影した写真を見返し、またネットで動画やブログを漁る。そうするとまたひしひしと湧いてくるんですよ。もっと大物を釣りたいと。

次は日本で、屈指のフィールドである奄美、トカラのGTを仕留められるように修業を積んでいきます。

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