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※普段堤防釣りなど、オフショア(陸)からの釣りをメインにしている私にとって最大の番外編となるGTキャスティングのカテゴリー記事です。
GTをキャスティングで釣る・・・ルアーフィッシングにおいてGTは最高峰レベルの釣りであり、釣り人としては一度は大物を膝に抱えたい夢の釣りです。
GTキャスティングゲームのタックルについては、すでに先人のベテランも多種考察をされている釣りですが、やはり情報量は多くはなくタックル選びも苦労しました。
特にGTの場合は地域によって癖がある釣りです。理由は、GTを狙う地域によってアベレージとなるサイズが決まってくるからです。釣りに行く国・地域の特化情報を参考にする必要があります。日本では沖縄、トカラ列島などでの釣りが実績あり、GTのサイズもデカい(60キロオーバーも出る)ためタックル強度は強めのものが用いられます。
しかし、私が予定しているのは南洋パラオでのGTゲーム。パラオにおいては10キロクラスのGTがアベレージサイズ。30キロクラスは出たら本当にラッキーという話なので、GT狙いとはいえそこまでガチガチのタックルでなくても楽しめる模様。
今回は私がパラオのGTキャスティングで使うために用意したタックルについて考察と共にまとめてみました。
パラオのGTアベレージサイズから考えるタックル
GTキャスティングは旅行のツアーで行くこともでき、レンタルタックルで済ませてしまう人も多いようです。特にパラオはダイビングの方が有名なので、釣りをメインにする人は少ないらしい。ただその分釣れる確率が高く、釣り人であれば自前のタックルで釣りあげたいものです。
最重要となるリールはドラグ性能で選んで2機準備
まず新品で用意すべきはリール。海外遠征でトラブルが起きては悲惨なので、リールは新品が推奨されます。
パラオで現地ガイドもおすすめしているGT用リールが、シマノ13ステラ14000~20000番。
なんといってもドラグ性能が優秀でGTの実績があるので、確実に捕りたいならここはステラにお金かけるべきと思った。GTはかかった瞬間、断続的にギューッ、ギューッとラインを引き出す。(弱まったと思うと急激に走る)大型青物とも異なり滑り出しのドラグ性能が重要になり、滑り出しが渋いと糸を切られてしまう。シマノステラのドラグはこの点で評価されているということです。
番手はパラオの場合14000あれば十分で、PE5号~6号が300メートル巻けます。下手にデカい番手を用意しても人間の体力がついてこなければ強力なドラグ性能も活かしきれない。あくまでこの辺は、自分自身の体格やパワーと相談して選ぶというのが正解になります。
ダイワではソルティガ6000~8000番クラスが対抗馬として挙がりますが、いかんせん現地の評判はステラ一色だったのが気になります。やはりドラグ性能を指摘する声が多いのです。GTの突っ込みは、急な引出しを断続的にするためドラグの滑り出しが良くないとラインブレイクに繋がるということ。素人がやり取りしている最中にドラグを調整しつつ釣るなんて余裕ありませんから、きつめのドラグでもスムーズに動くことは非常に重要なわけです。
ソルティガは防水性の高いマグシールド装備で塩ガミにはめっぽう強いですが、初心者でこれからGTタックル選びをするというのであればステラを買っておけば不意な突っ込みに寄るラインブレイクを低減できると考えます。
価格もステラのほうが安い。私はダイワ派なのでGTタックルもダイワで、、、、と思っていましたが、今回ばかりは現地ガイドのおすすめの声に負けました。
サブ機としてツインパワーSW10000番
サブ機としてチョイスしたのがツインパワーSWの10000。こちらはステラの下位機種ながら、ほとんど違いを感じさせないくらいに剛健なボディが光ります。
ステラとはギア比も異なるのですが、巻き心地はこちらの方が軽い。全体的な剛性やパフォーマンスではステラから伝わるものにかないませんが、サブ機として扱うには十分すぎる性能であると思います。
ロッドはGT用を基準に自分の体重や体力で選ぶ
リールに組み合わせる対GTキャスティング用のロッド選び。これも非常に頭を悩ませましたが、安易にGT用のロッドを買えばいいというものでは無いのが難しいのです。
GT用ロッドはとにかく硬い。もちろん重量級の魚体が掛かれば相応に曲がりますが、ロッドを曲げるためにはドラグを締めこみ、その引きを支えられるだけの人間側のパワーが求められます。
体重が軽く、体幹のパワーが弱い人が強いロッドを使っても、ロッドを十分に曲げることができないのです。ロッドが曲がらないということは、弾力を活かすことができないので魚を弱らせられないばかりかラインにも余計な負荷をかけてしまいます。
これらの理論を考慮したうえで、柔らかめに作られているマグロ用、大型ヒラマサ用ロッド(シマノグラップラーS80MH)をチョイス。ロッド全体はしなやかに曲がり、バットで溜めて魚を弱らせる設計になっていることから30キロクラスまでのGTの引きには対応できるモデルです。
ラインはPE6号~8号を200メートル以上巻く
GTキャスティング用のラインはPE5号~8号を200メートル以上巻いていきます。
ボートからのキャスティングゲームでは、操船によりラインキャパが無くなるまで追い込まれることはまずないですが、強烈に走り続けるGTに対応できるだけのラインキャパは必要。
※下手したらもっとでかいイソマグロやセイルフィッシュなども食う海域なので用心するにこしたことはないです。
パラオのGTゲームの場合は5号~6号もあれば十分。どのみち根ズレしたら太いPEでもアウトなので、操作性の良さとトラブルの少なさで選びます。現地で巻き直しとかやってられませんからね。
私はステラにPE6号、ツインパワーにPE5号をそれぞれ250メートル巻きました。ボートからなのでそこまでラインを引き出されることはないと思いますが、200メートル以上はあったほうが安心です。
リーダーはナイロン100lb~150lbをFGノットでセット
リーダーはナイロン100lbを選択。こちらもトラブルの少なさと、結束時の摩擦の高さからナイロンの100lbを選択しています。
リーダーはFGノットで結束。ラインシステム自体が極太なので、キャスティング時にガイドで抵抗にならないよう結び目がスムーズなFGを組みました。
GT釣り用ルアー選びとフック・連結金具選び
GTキャスティングで使われるルアーは、大型ポッパーとダイビングペンシルの2種類。シンキングでも釣れるらしいですが、やはりキャスティングで狙うからには水面に飛び上がってくるGTこそが醍醐味。ポッパーか、水面直下をダイブして動くペンシルベイトでトップを狙うべきでしょう。
本当はカーペンターとかGTで実績あるルアーに目が行きますが、価格も高いし流通量が少ない。今回は現行で手に入りやすいものでも十分にGTが釣れるということを実証したかったのもあり、アマゾンで買えるものを物色しては揃えていきました。
小型ルアー
シマノオシアペンシル 別注ヒラマサ160㎜~220㎜
別注ヒラマサはGTにも十分対応しており、パラオの現地ガイドも使っているルアーです。
160サイズは小物用タックルとして、浅いリーフエリアのカスミアジやハタ類にマッチするサイズ。
GT狙い、大型青物狙いでは190、220サイズを用意しておきます。くねくねとうねる様に水面下をダイブし、下手なアクションでも水面に飛び出しにくいためチョイスしました。
デュエル ブルポップ150㎜75g
イワシやトビウオサイズの20センチサイズのルアー。ルアー重量は50g~100gのサイズでGTを狙うとなると小型の部類に入りますが、慣れないうちは小さなルアーの方が飛距離が出やすいしアクションに疲れることなくロッドを1日振り続けられる。
大型ルアー
ヤマリア ローデッドF180
GT用ペンシルとして実績の高いヤマリアのローデッド。ペンシルとしての動きが非常に安定しており、何よりもアマゾンなどでのネットで容易に手に入るGT用ルアーの一つであるのがありがたい。ローデッドは予備も併せて4種持っていくことにします。
結果的にローデッドF180は今回の釣行で一番のヒットルアーになりました。しかしサメにも食われ、バラクーダなどにリーダーを切られるなどしてロストも多発。何が切り札になるかは行ってみないと分かりませんが、同一種のルアーを複数持って行くようにしたほうがいいです。
オシア ロケットダイブ 187F
シマノから出ているダイビングペンシルオシアロケットダイブ187F。こちらはヒラマサがターゲットとなるルアーですが、GTにも十分対応できるため購入しました。
釣行においては、カスミアジ、レッドスナッパーがヒット。今回使ったルアーの中では最も良い動きをしてくれたので、今後も持っていきたいルアーの一つになりました。
シマノ(SHIMANO) ペンシル オシア ロケットダイブ 187mm 85g フラッシュシルバー 40T OT-187N ルアー
デュエル ブルポップ200mm140g
もはやサンマと並べても違いが分からないくらいの巨大サイズ。100g~200gのもので、キャスト時にはある程度練習しないと重心を乗せられず重量のわりに飛距離が出ない。
その分アピール力は強烈で、GT用ポッパーで市販されているものとしては代表的ともされる。カラー3種×予備で合計6品購入しました。メインルアーとなる予定です。
ソルティガドラドスライダーⅡ160,190
ダイワからでているダイビングペンシルであるドラドスライダーⅡもヒットルアーとなりました。ヘッドが大きく、勢いよく水面下に飛び込んでいくことで、魚に対して食いつくスキを多く与えているようです。
カスミアジ、レッドスナッパー、カイワリ、サワラなど非常に多くの魚種を掛けることができ、知名度の割には非常に使いやすいルアーでした。
現状手に入りやすいものとしては、ヤマリアのダイビングペンシルローデッドとブルポップ200が揃えやすいです。正直この2つあれば何とか釣りは組み立てられるレベル。
GT用のルアーってショップオリジナルのものが多く、普通の釣具屋さんにはまずおいていません。初心者がいきなりフィッシングツアー用にルアーを揃えるのは正直大変でした。
しかし、あまりこだわらなくても釣果に大きな差は無いゲーム。実績あるブルポップとローデッドの2種だけ用意し、あとはカラーをいくつか揃えるだけでも十分と言えます。
予算があればカーペンターとかフィッシャーマンに手を出すのですが、結果的にこれらの市販ルアーでもGT始め多くの魚を釣り上げることができました。詳しくはパラオGT釣行記にて
フックはバーブレスに換装して持っていく
GTを釣る場合、レギュレーションでフックはバーブレスにしないといけません。
フックはカエシをペンチでつぶすのではなく、別にバーブレスフックを用意して換装しておくことをおすすめします。
ペンチで潰した場合、錆止めのはんだ処理をしなければいけません。さらに元々バーブレスのフックに比べて抵抗が増えるため、フッキングで刺さり切らないケースも考えられます。
GT釣りでは考えられる不安要素を完全に潰して臨むのが基本。貫通力のあるバーブレスの強みを生かせるように手間はかけていきます。
小物類・ペンチも予備を持っていく
GT用ルアーのフックチェンジや連結金具の装着はペンチ無しではできません。しかも非常に硬いので、下手するとペンチがバカになることすらあります。
しっかりした強度のペンチを持っていき、できれば1本予備も持っていくと間違いないでしょう。ペンチ無くしてはルアー交換すらできなくなりますから。
パラオGT釣り用の服装と持っていかないとヤバいもの
パラオでボートキャスティングをするときは服装には気を配ってください。
ヤバいのが紫外線。日本とは比べ物にならないくらい強く、見た目あまり太陽が照っていなくても強烈に日焼けする不思議な感覚です。
気付いたら肌を出していたところが真っ赤になるので、甘く見ずに肌を隠すための服装と、隠せない部位を守る日焼け止めは必須です。
- つばのある帽子
- 上半身はラッシュガード
- フィッシング用のタイツ
- 履物はクロックスでもOK
- SPF50以上の強めの日焼け止め
- ジギング用グローブ
私は以前足の露出部分だけ日焼け止めを塗り忘れ、露出していた足首以下が真っ赤で靴が履けなくなるほどでした。それくらい強烈なので念入りな準備を。
ジガーグローブで手を保護
忘れがちだが必須となるのがジガーグローブ。手のひらにしっかりした補強の入ったものを持っていくようにします。
キャスト時にラインから指先を守るのはもちろん、手の甲の日焼け止めにもなるし忘れないように道具入れに入れておきたい装備の一つ。
ギンバルはお好みで・・・あると便利だが
GTが掛かった後のファイトで役に立つのがギンバル。竿尻をギンバルの穴に入れることで支点を確保し、安定した姿勢でやり取りができる道具。
一見マストアイテムにも見えるがこれはお好みで良いかも。理由は、ギンバルに竿尻を入れようと焦ることでバラシに繋がるからである。
ギンバルはまさに日本刀の納鞘と同じと言えるだろう。慣れないと手間取って綺麗に穴に収まってくれない。その一瞬の油断でラインが緩み、フックアウトに繋がる恐れがある。
特に初心者は悩みどころ。想像を絶するGTの引きを食らったとき冷静に対処できるかは本人の度量次第。ゆえに下手にギンバルを意識するくらいなら要らないという人もいる。
私は小柄な体でロッドを支える自信がないためギンバルを持っていくが、荷物も増えるしよく考えてチョイスするようにしましょう。
まとめ:アベレージは小さいがGT相手に不安要素はゼロで挑む
私がパラオGTキャスティングで現地に持ち込むタックルは、
- ロッド:シマノグラップラーS80MH×2本
- リール:シマノ13ステラ14000XG
- 予備リール:シマノツインパワーSW10000
- ライン:シマノオシア EX8 マルチカラー5号・6号
- リーダー:サンヨーソルトマックスショックリーダー100lb
- GT用ポッパーとダイビングペンシル
- ペンチ2本
- スナップ、リング、予備フック多数
- ジガーグローブ
- ギンバル
パラオのGTは日本のトカラや沖縄近辺に比べるとアベレージは小さく10キロから30キロクラス。タックル強度自体は記録級ランカー向けに合わせる必要がなく、どちらかというと手数重視で頻繁なアタックを拾いに行くスタイルになります。とはいってもGTなので簡単ではありませんし、確実に掛けたGTをランディングするために手抜かりなくタックル準備はしていくべきでしょう。