魚を上手に冷蔵庫で保存して美味しさを長持ちさせる熟成方法

釣った魚を美味しいまま保存するにはどうすればいい?

魚は釣れたて新鮮なうちにすぐにいただくのが一番ですが、大漁だった日にはどうしても持て余してしまいます。

大物が釣れたりしたらとても一日では食べきれませんから、後日の楽しみとしてとっておくのも良いでしょう。

しかし、魚の保存は意外と難しいのです。捌いて1週間ほどであれば冷蔵保存で熟成できますが一工夫コツがいります。さらに冷凍保存する場合には、もうひと手間加えないと解凍したときにパサパサした身になってしまいます。

保存方法を間違えるとおいしさを損ない、せっかくの釣りたてが台無しなのです。

ここでは魚をおいしく冷凍保存しておくコツをご紹介します。

釣った魚を冷蔵庫で寝かせて旨味をアップさせる(当日~1週間程度)

釣ってきた魚を美味しく食べるには、冷蔵庫で熟成をさせるというのが一般的。

釣りたては美味いと言われますが、釣ったばかりの魚の身は旨味でいえば60点ほど。うまみ成分が閉じ込められたままで、味覚として感じることができません。

歯ごたえを楽しむならば釣りたてや活け造りですが、味を吟味するなら熟成させる工程が必要になります。

熟成と言っても難しくはなく、内臓とエラを落とした魚丸ごと、もしくは3枚に下した切り身を「皮付きのままキッチンペーパーとラップにくるんで冷蔵保存する」だけです。

ポイント皮を残すのは、血合い部分が酸化して黒くなる「焼け」を防ぐためです。ウロコまで残すほうが良いという意見もありますが、調理の手間もあるのでお好みでいいと思います。

余分な水分をキッチンペーパーで吸い取っておくと、旨味が凝縮して比べ物にならないほど美味しくなります。※浸透圧を使用して水分を抜くピチッと脱水シートというものも便利で無駄がないです。

冷蔵庫で保存すると、時間の経過とともに魚の筋肉繊維が分解されます。歯触りが滑らかになるのと、旨味成分であるグルタミン酸がしみだすため素人でもわかるくらい味は変わります。

お寿司屋さんのネタは釣った魚とは一線を画しますが、これはベストなタイミングまで熟成されているから。活きが良いほどうまいのではなく、活きが良いものを熟成させた魚が最もうまいということです。

冷蔵庫での熟成は1週間ほどで味と歯触りの変化を楽しめる

美味しくなる熟成期間は魚によって変わりますが、概ね2日か3日頃から味が変わります。

私はマダイやチヌなど鯛類は3日程度の熟成に留めます。鯛類は身質が柔らかいのでこの程度で十分です。

一方、大型の青物(ブリ、カンパチ、ヒラマサ)、ハタなどは身が締まって硬いので、5日ほどの熟成後が最もおいしいと感じます。身全体に脂分が行きわたり、どこを食べても柔らかく溶けるような食感に変わるのは感動します。

参考リンク:ブリの熟成過程

ただ、温度変化の比較的激しい家庭用冷蔵庫で熟成させるなら1週間程度にとどめておくのが衛生的にも良いと思います。次第に酸化して、身に残った血が腐りますので闇雲に熟成させるのではなく、食べる分と冷凍保管する分を分けておきましょう。

例外として、イカやタコなどの軟体動物は熟成の必要がなく新鮮であるほど美味いです。透き通るような身の活け造りが最もおいしく食べれます。熟成すると味は変わりませんが歯ごたえは柔らかくなるので、食感を楽しみたいなら冷蔵庫で寝かせるのもいいです。

余ったお刺身を「漬け」にして冷蔵保存する

お刺身をたくさん作ったはいいけど、食べきれずに余ってしまったとき。

お刺身は一度空気にふれてしまえば酸化が進み、変色して黒くなったり風味が落ちてしまいます。回転寿司などでずーっと回ってるにぎりなんかは、茶色くなっていかにも美味しくなさそうですよね。

一番良いのは最初から食べる分だけ切り身にして、あとは皮付きのまま冷凍してしまうのがいいんですが、余ってしまったお刺身はそのまま保存するよりいい方法があります。

それは醤油+味醂の調味ダレに漬けこみ、「漬け」状態にしてしまいます

この方法だと乾燥から守られるばかりでなく、酸化による変色を防ぎます。次に食べるときには熱々のご飯に乗せて食べるだけ。海鮮どんぶり風にしていただく方法。

醤油にお酒・みりん・お好みで砂糖などを少々いれ、一度煮立ててアルコールを飛ばします。これを余った刺身に漬けて、ラップして冷蔵庫へ。

数日のうちに食べなくてはいけませんが、違った味も楽しめ一石二鳥ですよ。

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魚を冷凍庫で長期保存する(当日~1か月程度まで)

魚を冷凍して長期間保存したい場合。

家庭用の冷凍庫は長期保存に向いていないので、簡単に考えてしまうと味の劣化に繋がるので注意します。

魚を冷凍保存するときには、「マイナス5℃の壁」と「冷凍焼け」いう2つの難点があるため、まずは冷凍することで魚に何が起こるかを確認しながら冷凍保存法を考えていきます。

冷凍過程で魚の細胞がどんどん破壊されるのを防ぐ

魚は大量の水分を含んでいます。冷凍する場合は魚の水分が凍り始めますが、これが厄介なのです。

水は凍ると膨張します。ペットボトルにいっぱい水を入れて凍らすと破裂してしまうように、魚の体内の水分も膨張しながら凍っていきます。

凍っていく過程で氷の結晶が魚の細胞を壊してしまうのです。身の中の水分や美味しい脂分がここで氷に解けだします。

これを解凍すると、旨みである脂分や食感を出す水分が失われ身はべちゃべちゃで味が薄くてぱさぱさの肉になってしまうんです。これがドリップという旨味流出の仕組み。

いかにしてドリップが出ないように冷凍するかが最大のポイントになります。

具体的な方法は2つ

急速冷凍機能を使って一気に凍らす

最近の冷凍庫には、急速冷凍という機能が付いているものが増えました。この機能は、その名の通り出力を高めて一気に冷凍することで、マイナス5℃~15℃の温度域を一気に突破する方法です。

魚の身はマイナス5℃~15℃の辺りで最も劣化します。この温度域を一気に通りぬけることで、冷凍時の細胞破壊を最低限に食い止めることができます。

上手く活用すれば魚に限定せず、肉もおいしく保存できます。

魚を薄く切る・冷凍庫に隙間を作る

急速冷凍が付いていない冷凍庫の場合は、少しでも早く温度が下がるように工夫します。

保存する切り身を、できるだけ薄く切り身にします。また冷凍庫内にスペースを作り、詰め込みすぎないこと。

これだけでも違いますし、急速冷凍を使うときの補助にもなりますので意識してやってみればおいしいまま保存できます

補足:冷凍庫で美味しさを維持できるのは1か月程度

家庭用の冷凍庫の温度は最程でもマイナス20度前後が限界です。

この温度域で保存できる期間は、最大でも一ヶ月程度です。冷凍された状態でも、内部の酸化やタンパク質の変性が起きており、長期保存した場合は劣化が著しく見た目も変わってきます。

冷凍する時にマジックで日付を書いておくなど、できるだけ早いうちに食べることを心がけましょう。

参考:少しでも長く保存したい場合は家庭用超低温冷凍庫(フィッシュボックス)という商品もあります。マグロ遠洋漁船と同等のマイナス60℃近くまで凍結できるもので、半年以上美味しさを保ったまま保管できるシロモノです。毎週のように釣り掘りとか船で大漁に釣る人は検討してみても良いと思います。

冷凍焼けを防ぐため袋に入れて密封しよう

もう一つ厄介なのが「冷凍焼け」です。これは冷凍中でも魚の身が酸化して黒ずんでくる現象

凍った状態でも空気に触れた部分が酸化してしまうため、いざ食べようと解凍したときには食欲が削がれるような色になってることがあるのです。

少しでも冷凍焼けを防ぐためには、まずキッチンペーパーで水分を取った身をラップでぐるぐる巻きにし、ポリ袋に入れます。

ポリ袋の口から空気を吸いだし、軽く密封状態を作るようにしてきっちり縛ってから冷凍庫に入れます。

これでも完全に防ぐことはできませんが、ジップロックに入れただけで冷凍するよりはるかに焼けを防げます。

ひと手間かける必要はありますが、せっかく釣りたての美味しい魚を持ち帰ってくるわけですから美味しいまま味わいたいもの。上手に保管して、いつでも好きな時に自分で釣った魚を堪能していきましょう。