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堤防から釣れる根魚はたくさんいますが、中でも大型になるのが「クロソイ」。ソイの仲間では、ムラソイやカサゴなどと良く似た体系をしていますが、体の模様は複雑ではなく黒い斑点模様がちりばめられたシンプルな模様です。
兜のような大きく頑丈すぎる頭を持ち、根魚にしては大型になるのがクロソイの特徴。50センチ近くにもなるとかなりの引きが楽しめます。海上釣り堀などでも養殖物が放流されていることが多く、釣っても食べても美味しい魚が黒ソイです。
今回はクロソイの釣れる時期や釣り方などを生態から考察していきます。
クロソイが釣れる時期と生態
クロソイが釣れるのは、11月頃の晩秋から3月ごろが盛期という冬の魚。根魚なので基本年中エサは食ってくるが、経験上は気温がぐっと下がって海水温が10度を切るような状況で釣れやすいように感じる。
特に2,3月ごろは抱卵した個体が良く釣れ、産卵前の荒食いで釣れやすくなる。
クロソイは潮通しのよい岩礁帯や、テトラの穴などに潜みエサを捕食する典型的な根魚スタイル。ただしカサゴのように底べったりではなく、夜釣り等では浮いてきて小魚を狙ったりもする。
活性は夜の方が圧倒的に高いので、できれば夜釣りで狙いたい魚。
冬が本番であり、東北以北の北方海域では50センチ超えるサイズの釣果も見られる。九州近海でも見られるが、狙って釣るほどの個体を求めれば関東以北の堤防や磯場が有望。
クロソイをエサで釣る仕掛けと釣り方
クロソイ狙いであれば、用意するエサはイソメ類の虫エサで十分。オキアミも良いが、大型狙いであれば「岩虫・本虫」といったエサに食いが良い。
クロソイ狙いの仕掛けは、基本的にはシンプルなオモリとハリのみの脈釣り仕掛けでテトラの穴などを丹念に探っていくしかない。
堤防から狙う仕掛け候補としてはブラクリの仕掛けが最も安定して攻められる。
大型のクロソイ狙いならルアー釣りで狙う
大型を狙うのであれば、カサゴ釣りのルアータックルを応用して沖の岩礁地帯を狙っていく。
ただしカサゴ狙いよりも、ロッドやリールはワンランク大きいパワーのあるタックルで狙っていくのが鉄則。シーバスロッドや、チヌ狙い用などバットパワーがあり、重り負荷が10g以上のものであれば大型クロソイの突っ込みにも対応できる。
40センチ超えるようなクロソイの引きは想像を絶するツッコミを見せるので、いかに根に潜られないかが勝負の分かれ目。スピニングリールもダイワで言う2500番以上の巻取り力の強いタックルが理想で、食ついたらすぐに根から引き離すようにしたい。
根があまり深くない場所や、空いている堤防や磯であれば釣ったアジを使った泳がせ釣りでも、クロソイが食いついてくることがある。
クロソイは大型になればなるほど魚食性が強まってくるので、型狙いであれば泳がせ釣りか4インチ以上のソフトルアーで攻めていくと釣れる確率が高まる。
専門に釣るのは難しいが、クロソイ以外にもカサゴやキジハタといった魚が狙える釣りなので退屈はしない釣りになる。ただし・・・小型のカサゴと戯れていたら、突然大型が食いついて竿をのされてしまうこともある。どうせ小物ばかりと侮る心を読んでか、一瞬でハリスをぶち切っていくので悔しい思いをしたのは2度3度ではない。クロソイ初め根魚を狙うときには、常に大型に警戒していくようにしましょう。
クロソイは海の釣り堀などでも放流される
クロソイは根魚では珍しく養殖が盛んで、北は宮城から南は愛媛などから出荷されている。このため、冬の釣り堀用としても活きた個体が卸されており、手軽なターゲットとして放流している釣り堀が増えてきている。
狙い方は釣り堀の規定に準ずるが、エサ釣りではイソメのほかキビナゴや冷凍イワシなどを落とせば果敢に食いついてくるのでビギナーでも釣りやすい。
クロソイは淡泊な白身で弾力のある刺身が非常にうまい。新鮮なクロソイを味わいたいと思うなら、手軽に釣り堀などで仕留めて食味を楽しむというのも面白い。