ダイワ16EM MSのフルベアリングカスタムで性能を一気に向上

ダイワの軽量スピニングリール、EM MSのベアリングキットを使ったカスタマイズを実施しました。

EM MSはカーボンボディのザイオン初め、マグシールドやエアローターなどを組み込んだ、海釣り用の「軽量・高耐久」リールです。

私はEM MS2506を、エギングやキジハタ釣りにと年中使い倒していますが、より回転性能とドラグ性能を高めるためにヘッジホッグスタジオ製のベアリングキットを導入することにしました。

ベアリングチューンは非常に手軽にできるリールのカスタムなのですが、EM MSのフルキットに関しては頭を悩ませた部分もありました。カスタムの経緯を写真とともに掲載しますので、これから取り組まれる方は参考にされてみてください。

EM MSフルベアリングキットで大幅改造

今回使用したのは、ヘッジホッグスタジオ制EM MS用フルベアリングチューニングキットです。

(チューニングメニュー)
・ラインローラー2BB仕様ベアリングチューン
・ハンドルノブ2BB仕様ベアリングチューン
・トーナメントドラグベアリングチューン
・フィネススプールドラグベアリングチューン

(内容物)
・ラインローラー用BB×1個 (SHG-740 or HRCB-740Hi)
・ハンドルノブ用BB×2個 (SHG-740ZZ or HRCB-740ZHi)
・スプール受け用BB×1個 (SHG-1170 or HRCB-1170Hi)
・スプール内蔵用BB×1個 (SHG-1170 or HRCB-1170Hi)
・ローラーワッシャー×1個
・ローラーカラー×1個
・ローラーパッキン×1個
・チューニング説明書

※こちらのキットでベアリングを5個追加し、 MAX11BBフルベアリングチューニングをする事が可能です。
公式サイトより

ドラグの初期の滑り出しを改善して大物の突っ込みに対応するとともに、ラインローラー部の2BB化によって軽い仕掛けを使うときでも糸ヨレのない快適な釣りができるようになります。

EM MS2000番~3000番まではこちら

EM MS3500番~4000番まではこちら

EM MSスプール受け軸のベアリング化

まずは手軽な部分として、スプールを受ける軸の部分をベアリング化します。標準では白いカラーがつけられているだけで、この部分の回転性能を向上させるわけです。

白いカラーの上部に細い金属のピンがはまっていますので爪楊枝などで取り外します。非常に細くて小さいので無くさないようにしましょう。

カラーを取り外し、ベアリングをセットするだけで換装完了。ここは非常に手軽にできる部分ですので、まず初めに取り組むとよいでしょう。

EM MS2506フィネスドラグのベアリング化

続いてはスプールの内部に組み込まれているドラグのベアリング化です。EM MS2506ではフィネスドラグが組まれており、魚に合わせた細かなドラグ設定ができます。

しかし、見ての通りベアリングではなくカラーが付いてるだけで、初期の滑り出し性能に難があります。細い仕掛けで急な魚のツッコミに合えばラインブレイクの危険が高まるためベアリング化の意義が高い部分です。

スプールを表にして金色の蓋を外していきます。ここも針金が組み込まれて固定されているため、爪楊枝などで起こして金具を取り外します。

金属の蓋を取り外すと、下にオイルをしみこませた水色のパーツが出てきますのでここまで外します。汚れが付着しないように置いておきます。

中央にセットされた白いカラーを取り外して、ベアリングに交換していきます。

ベアリングはカラーと入れ替えで組み込むだけなので力も手間もいりません。

元通りに組み込んだら、スプールをセットしてスムーズに動くかどうかを確認しましょう。

ここまでは付くようにしか付かない部位ですので心配はないでしょう。部品の紛失にだけ気を付けて、汚れが入らないように作業すれば難しい部分はありません。

ラインローラー部分のベアリング化

厄介なのがラインローラーの2BB化です。もともとEM MSはベアリングが1つ組み込まれていますが、これを取り除いてヘッジホッグスタジオ製の2ベアリングを組み込みます。

まず、ラインローラーとハンドルノブのベアリングはサイズが似ているので間違いに注意。外径と内径が同じなので、見た目上はどちらも組付けれてしまいます。いざ組みあがった時にうまく回らなくなるので、はじめにどちらかを区別しておきます。

  • オープン2.5㎜のほうがラインローラー用
  • シールド3㎜のほうがハンドルノブ用です

オープンベアリングはこのようにボール部分が見えるタイプです。シールドタイプは見えないようになっているので分かります。

ラインローラーを固定しているネジ1本を外し、ローラーを分解していきます。

説明書も付属していますが、非常にパーツが多くて細かいので紛失しないように注意しながら進めます。

説明書通りに組み立てていけば問題ないのですが、今までのようにカラーを交換するだけと違い、純正のローラーパッキンやカラー部分を再利用します

下記の写真のように、カラーにベアリングを組み込んで黒いパッキンでカバーをしたパーツが2つできればOK。この2つでラインローラー部(金色の部品)を挟み込むようにして組み込みます。

ベールへの組み込み。順番に組んでいけば間違うことはありません。初めにプラスチック製のワッシャーを、ベール側にセットしていきます。

次にベアリングを組み込んだカラーを挿入していきます。説明書通りに黒のゴムパッキン側から入れていくと、きれいに蓋がされますね。

ラインローラー本体を被せるようにセットします。ここでキレイにベール部分に収まらず、奥に引っ込んだり飛び出てしまう場合には何かしら間違っている可能性があります。

分かりづらいですが、最後に純正で着いていた金色の金属ワッシャー(非常に小さいので無くさないように)をセットしたら、ローター側と組み付けてネジ止めしていきます。

非常に小さな金色のワッシャーを最後に組む

全て組付けたのちに、スムーズにローラー部分が回転するかどうかを確認して完了です。

ここで組み付けるベアリングを間違えたり、ワッシャーを入れ忘れていたりすると、どちらかにローラー部分が食い込んで動きが悪くなります。汚れなども入ってしまうため、必ず隙間がないように組み込めているかを確認していきましょう。

EM MSハンドルノブのベアリング化

次はEM MSハンドルノブのベアリング化です。ここはそこまで気になる部分でもありませんが、ハンドルがスムーズに回ることで手に伝わる情報にリアリティが出ます。ルアーの動きや潮の流れなどがリールを通して伝わるようになるのです。

ダイワリールのハンドルは専用のキャップがしてあり、工具を使わないとうまく外せないようになっています。

ここで工具がない時の一工夫。手元にスナップ付きの連結金具があったので、この金具をペンチで開いて差し込むことでオープナーの代わりとしました。

このキャップははめ込んであるだけですので、L字型に加工したものを差し込み、てこの原理で起こしてやれば外れてきます。

もう少し太い金具のほうがやりやすいと思います。意外と固くはめ込んであるので、ギリギリ穴に入るくらいの太さの金具で一気に外すと傷つけることなく外せます。

ハンドルノブのキャップさえ取れれば、中にネジがあるのでプラスドライバーで外すだけ。これでハンドルノブが外れるようになっています。

外れたノブを見ると、黒色のカラーがはめ込んであります。両端に付いており合計2個。先ほどキャップを外すのに使った金具でこじれば簡単に取ることができます。

カラーの部分をベアリングに交換して元に戻すだけの簡単作業。

恐らくはキャップを取りはずすのが慣れないうちは苦労するだろうと思います。それくらい固く止まっているので、思い切って一気に外してやるのがコツかなと思います。

EM MSフルベアリングチューンの振り返り

こうして11ベアリングをまとい、上位機種であるセルテートにも迫る滑らかな回転性能を得るに至ったEM MS2506。細かな作業が多いので思ったより時間かかりましたが満足度は高いものです。

肝はラインローラーの2BB化ですね。部品の構造が掴めていないと、この手の作業初めてやる人には苦戦するかもしれません。ただ簡単に壊れるような部品でもないので、落ち着いて組み込んでいけば誰でもできるのがベアリングチューンの面白さです。

EM MSで唯一気に入らないのが、ハンドル部分の微妙なガタつきです。ジョイント式でネジを緩めるとコンパクトに折りたためるようになっていますがこれがいけない。どれだけ締めても微妙にガタが出て、ハンドルを回すとカタカタっと音がしてしまいます。

今回ベアリングを組み込んだことで多少変わるかと思いましたが、機械的な構造に影響を与えることはありませんでした。釣りをする分には問題ないとしていますが、どうしても安っぽさが出てしまうのはもったいないですね。

ひとまずこれでEM MSのフルベアリングチューンが完成したので、あとは頑張って40アップのキジハタを仕留めるために行ってまいります。

EM MS2000番~3000番まではこちら

EM MS3500番~4000番まではこちら

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