初夏から砂浜で釣れていたキスは、冬が近づくにつれて外気温の影響をもろに受けて海水温の下がる浅場から姿を消します。そして海水温が下がりながらも外気温の影響を受け難く、海水温の安定した深場へと移動します。
冬場に深場へ移動するキスですが、沿岸部に留まって過ごすキスもいます。越冬ギスと呼び、独自の釣り方で狙う釣りとして一部のマニアの間でとても人気が高いです。越冬ギスの釣り方を解説していきましょう。
越冬ギス狙いのベストポイント
越冬ギスが割と棲息していて、釣りやすい場所が意外な所にあります。それは、魚港内です。港内は防波堤に囲まれているので潮の流れがほとんどなく、海水温が安定しているので、越冬ギスがとても好むポイントとなります。特に狙い目なのが、停泊船の真下です。普段動いている船よりも、長い間動いていない船の下をなるべく狙うのがコツです。
越冬ギスの釣り場選び
越冬ギスは、湾奥などの比較的流れのゆるやかな深場に棲息します。ある程度の水深があることが条件ですので、大型のフェリーなどが停泊する埠頭や漁船でも大型の漁船が出入りするような漁港での実績が高くなります。
小型船ばかりが停泊してるような小規模漁港や、漁港のすぐ側に川が流れてるような場所は水温変化が激しいので、越冬キスを狙うポイントとしてはあまり適さないです。
仕掛けの説明と釣り方のコツ
港内の海底は海草や石やロープの残骸などとても根が荒く、仕掛けが引っかかりやすいものです。そのため、竿は少々強引にあしらっても大丈夫な、硬めを選ぶようにします。それに合わせてリールも4000番クラスのパワフルなもの、ラインも3号程度の太めのPEラインを使用します。仕掛けはあまり太いとキスの食いが悪くなるので、幹糸と枝糸は2号までがよいでしょう。越冬ギスは口を使わないので、ハリは小さいほどよいです。大きくてもキスバリ6号程度までにしておくのがよいでしょう。
エサは低水温でも元気の良いアオイソメの小型サイズを使い、アピール力を高めるために1匹をちょんがけにします。アタリがあるのに食いが悪ければ、徐々に垂らしを短くしていきます。
糸が太く長く出ている分だけアタリが伝わり難く、狙って釣り上げるのが至難の技となります(越冬ギスのアタリは、非常に出難い)ので、できるだけ持ち竿で少しづつ海底を仕掛けを這わせながらキスが潜んでいる場所を探していくのが良いです。
越冬ギス狙いは大型が期待でき、俗にゆう「肘叩き」が釣れる確率の高い釣りです。寒い時期の大型キスは脂が乗って美味しいので、食味の点でもぜひ狙って欲しい冬のターゲットです。