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渓流釣りではおなじみのウェーダーは、海釣りにおいても一着持っておきたい使える装備です。
ウェーダーを着用することで胸のあたりまで海に浸かることができるため、多少の波しぶきを気にせず釣りをしたり、浅瀬であれば少し足を延ばすことでキャストのリーチを増やすことができます。
何よりも海と直接対峙して釣りに挑む感じは、海との一体感を感じられる至高のひと時。
ここではウェーダーを使って釣れる魚や、初めてウェーダーを購入して使いたい人に向けて装着感や選び方について書いています。
ウェーダーを着ることで広がる海釣り
ウェーダーを使うシチュエーションで定番なのは、砂浜(サーフ)での釣り。打ち寄せる波を気にせずに、安定した釣りを組み立てるためにウェーダーは非常に役立ちます。
投げ釣りのような「待ち」の釣りではウェーダーは不要な装備ですが、サーフに立ちこんで釣る様なルアーフィッシングではほぼ必須になってきます。
サーフの定番ヒラメ・マゴチのルアー釣り
ヒラメやマゴチといった砂地の海底に潜むフラットフィッシュを釣るときはウェーダー着用で攻めます。多少のうねりは気にすることなく釣りに集中できます。
サーフではシーバスやチヌ(クロダイ)もよく集まる場所であり、ルアーフィッシングをメインで釣るならばウェーダーがあると釣りの幅が広がります。
サーフでの立ちこみ釣りで狙うアオリイカ
同じくサーフでも、秋のアオリイカシーズンでは浅瀬に寄ってくるアオリイカをウェーダー着込んで仕留めに行きます。
穏やかな湾で釣りをするケースが多いため、足の届く範囲まで海に入っていき、沖の深みへとエギを送り込めるメリットがありますね。
堤防がエギンガーで混み合い釣り場が無くて困っているという状況であれば、ウェーダーをもってサーフを狙ってみるのは新子アオリイカを狙う手段として有効です。
靴底がフェルトスパイクならばゴロタ場などでも活躍
浅瀬が続くような地磯やゴロタ浜でもウェーダーは活躍します。チヌを狙ったチニングや、荒磯でのシーバス釣り、フカセ釣りなどでもウェーダーが役立つ状況はあります。
足場が悪いのでスパイク底のブーツが必須になりますが、ブーツではどうしても海に浸かってしまうような場所も多いです。
しかし、ウェーダーを着込んでいくことで、滑りやすい場所での安定性と、衣服の濡れを気にせず攻めていける2つのメリットを得ることができます。
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ウェーダーを海で使うときの疑問に体験をもとに答える
ウェーダーは普段慣れない装備だけに、海で使うとなるとどのような感じになるのか体験をもとに解説します。
また安全性や着用して海に入るときの注意点なども覚えておくと、いざというときに慌てずに済みます。
海に入るときはどんな感じ?動きやすさについて
まずウェーダーを着込んで海に入っていくと、太ももの辺りまで浸かったところで水圧がかかって足がキュッと締め付けられます。水圧がかかった状態では足の動きが制限されるので、機敏な動きを取るのはまず不可能です。
移動するときなどは、つま先で海底の状況を確かめながら少しづつ移動しましょう。すり足移動がおすすめ。※不意にエイなどの強烈な毒針を持つ魚を踏むことも無くなります。
急な深みがあると本当にヒヤッとします。また、滑って転んだりするとヤバイ。水の浮力を感じることができるので、姿勢が不安定になったら水に乗るように体を浮かせつつ足場を確保していきます。
ウェーダー内部に水が大量に入るとヤバイ!
先ほど転ぶとヤバイと書きましたが、ウェーダー内部に水が大量に入り込むと大変です。内部に溜まった水の重さと、外側からかかる水圧に影響でほとんど身動きが取れなくなってしまいます。
穏やかな砂浜と言えども、数メートル先が一気にドン深になっている場所は珍しくありません。もし深みにはまって足をすくわれたまま、離岸流に流されようものなら一大事です。
ウェーダーに水が入りどうしようもなくなったら、落ち着いてウェーダーを脱いで足を開放すること。足が動けば泳げるし、姿勢も浮力も確保できます。
汗で蒸れて不快ではないか?快適性について
暑い夏に長時間ウェーダーを付けたまま釣りをすると、汗で蒸れて釣りどころではないのではないかと不安に思う人もいると思います。
意外にウェーダーは大きめに作られており、ピチピチのウェットスーツのような作りではないので汗による蒸れは解放できます。
さすがに渓流のような気持ちよさは無いにしても、汗っかきな筆者が真夏に1日着用したままでも問題なく釣りができました。どうしても暑い時は、適度にウェーダーを下して下半身を開放し空気を通してやると良いと思います。
生地の素材も分厚いので、冬は風を遮る防寒着としても活躍します。気密性が高いので、タイツを着込めば寒い冬の釣りでも使えます。
ウェーダーを買うときには何を基準に選ぶか?
ウェーダーと一言で言っても色々なタイプが売られています。それこそ田植え用だったり、水場での作業用などもあるため、どれでも海釣りで使えるとは言い難いので注意します。
重要なのは靴底の素材と自分に合ったフィットサイズ
ウェーダーを選ぶときに最も重要なのは靴底の素材と足のサイズです。なにしろ靴底まで一体化しているので、状況に合わせて変更することが難しいからです。
一般にはフェルト底が用いられていますが、フェルト+スパイクであればより安全に足場を確保することができます。
また靴まで一体なので、足のサイズが合わないとこれも釣りにくくなってしまいます。ウェーダーに使われる靴の部分は、足をしっかり固定するために硬い素材で作られています。柔軟性がほとんどないため、足のサイズが合わないと痛い思いをします。
もしも靴のサイズが不安であれば、ストッキングウェーダーというタイプもあります。ウェーディングシューズが別途必要になりますが、足の大きさに囚われることなくウェーダーを使いこなすことができます。
ちなみに筆者はダイワのタイトフィットソルトウェーダーを使用しています。身長168センチのやせ形で、一般的なMサイズで少し大きいかなと感じるサイズ。一度Lも試着しましたが、ベルトで調整できるので足のサイズさえ問題なければ多少大きくても問題ないです。可能なら一度釣具屋さんで試着してみると感覚が分かると思います。
素材によっては快適性もあるので予算有る場合は考える
ウェーダーも種類は豊富にあって、5,000円~10,000円程が一般的な相場。釣りメーカーのものが安心できますが、費用は安く抑えたいという人は、なるべく素材が丈夫で岩にこすれても破れないものを買いましょう。
値段は20,000円程とワンランク張りますが、カッパなどでおなじみの透湿防水素材を使ったウェーダーもあります。透湿防水なので、海水の侵入はシャットアウトしつつ、汗で内側から出る水分は水蒸気として外に放出できます。夏場の釣りで汗で蒸れても徐々に排出してくれるため、予算があって快適性を少しでも求めるなら一考です。
釣り終わったら洗って干す!ニオイが残らないように
釣りから帰ったら、外側の生地に残った塩水を洗い流します。放っておくと塩分がファスナーに固着したり、素材の劣化に繋がります。
特に靴底がフェルト素材の場合、海水を大量に含んで悪臭が発生しやすいので、しばらく水道水につけて塩抜きしたのちによく乾かしましょう。
汗を大量にかくことで内部にも臭いがこもりやすいので、風通しの良い日陰でじっくりと乾燥させておきます。炎天下で干すと素材の劣化に繋がり、破れによる浸水トラブルにもつながるので気を付けます。
ウェーダーについて思うところをまとめてみましたが、一度使ってみることで新しい世界が広がるものです。堤防釣りなどライトに釣りをしている人には面倒そうな釣りですが、いざ海に入ってみると思いがけない気持ちよさで満足感の高い釣りになりますよ。