堤防釣りで釣れる外道の中でも最大級に厄介なのが「アカエイ」!1メートル近い巨体も釣れ、ご存知、尾っぽには強力な毒針があるので最大限に注意して対処していきたい魚である。
アカエイは沿岸を生息地とするエイで、堤防釣りで釣れてしまう厄介者。食性は海底に居る貝や魚を食べる肉食性で、青イソメやオキアミはもちろん、シラサエビやチヌ釣で使う「アケミ貝」や泳がせ釣りでも魚に食いついてくるからどんなエサでもかかってくる可能性はあるということ。
チヌのイカダ釣りでアケミ貝のエサに食ってくる話が多いが、汽水域にも入り込むので初夏のウナギ釣りでは「ウナギ3:アカエイ1」位の割合で猛攻を仕掛けてくることも珍しくない。
日本海側にはほとんど生息しておらず、関東以南の太平洋沿岸で多く見られる。アサリなどの貝類が好物で砂地・砂泥地の海底を好んで回遊するため、潮干狩り場が近くにある様な釣り場では釣れる可能性が高くなる。
ハリにかかると重戦車のように猛突進するので、弱い竿だと簡単にのされて糸を切られてしまう。最も注意すべきは、置き竿にしていたりすると、竿ごと海中に引きずりこまれたという釣り師が後を絶たない。竿を持って行かれないようにする「尻手ロープ」というものが売られているので、よく掛かってくる太平洋沿岸地域の夜釣りなどでは必須の道具となる。
アカエイの毒針の対処法
アカエイは尻尾の付け根のあたりにギザギザのノコギリのような毒針を持っているので、刺されたら傷口が大きくなり大惨事になる。激痛と腫れでショック症状を引き起こす人もいて、死亡例は少ないがゼロではない。毒針が大きいだけに傷が大きくなりやすく、完治までに長引くことも多い。
とにかく掛かってしまったら、できるだけ海面に浮かせてから道糸を切ってしまうのが無難。できればハリスごと切れるのを祈るしかないが、柔らかい磯竿だと意外に取り込めてしまう。ハリス1.5号で70センチ級を仕留めたこともある・・・が自慢にはならない。玉アミなどで救うときは、とにかく暴れて刺されないように注意。堤防にずり上げた後も、尻尾をびゅんびゅん振り回して攻撃してくるので、慣れていないと簡単に刺される可能性あり。
もしアカエイに刺されてしまったら、一刻も早く病院へ行って治療を受ける。ゴンズイやオコゼとは比較にならないので、その日の釣りはあきらめて病院へ走ること。傷が深い場合には念のため消毒をしつつ、患部の心臓よりの部分をタオルで縛るなど止血をするようにしましょう。
さらに尻尾の毒針以外にも、口が極めて鋭く噛む力が強いので注意。硬い貝も噛み砕いて食べるので、ハリを外すときにうっかり噛まれると大けがを負うことになる。
このように危険極まりない外道として釣れてくるのがアカエイなので、かかってしまったときに厳重に取り扱うようにしたい。
一応エイの仲間の中では食べておいしい部類に入る。韓国などでは普通に食べられているし、日本でもエイヒレは珍味として食べられている。意外だが刺身や煮つけが非常にうまいので、どうしても食ってやるという人は、ペンチでハリを引き抜いてしまうかハサミで尾っぽごと切り取る。リスクが高すぎるので料理屋で食べられるような機会があれば食べてほしい。