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大自然を相手に楽しむ釣りは時に命の危険も伴います。堤防からの落水や転倒などの事故対策はもちろん重要ですが、甘く見てはいけないものに暑い季節の熱中症があります。
海の釣り場は特に、堤防やサーフ、釣り堀など日差しを遮るものがなく、体温が上昇しがちで熱中症のリスクは他のレジャーよりも高いのです。
自慢にもならないですが、今までに2度ほど釣りに夢中になりすぎて熱中症でヤバい状態になった経験があります。意識が遠のき、発汗が止まり、指先の感覚がなくなる….。経験者にしか伝わらないですが、単独で釣りに行く人も多いので何かあったら一大事。自分で熱中症対策は十分に用意していく必要があります。
今回私が新兵器として導入したのが、熱中症対策として販売されている空調服。簡単に言えばジャケットにモーターファンが内蔵されており、扇風機のように風を送ってくれるものです。
私が良く行く「海の釣り堀の作業員の人が、真夏は空調服を着ていた」ので気になっていました。先日我が家のエアコン工事を依頼した時にも「設備業者の方が空調服決めてきていた」のを見て、プロが使い込んでいるなら性能は期待できるのではないか?と思ったのが導入の決め手になりました。
さっそく蒸し暑い釣り場で使ってみたのですが、想像とは異なる使い心地でなかなか良い。ただ、釣りで使うには注意点も感じたので、どのような感じなのか詳しくレポートしていきます。
空調服とはどんなものか?試着インプレ
今回購入したのは、amazonで調べたときに高評価でレビューが付いていたVinmori空調服(春夏用)です。
届いた商品を見てみると、薄手で非常に軽い素材のフード付きジャケット。内側にはメッシュの記事が張られており、前後左右に4ヵ所の電動ファンがセットされています。
駆動はUSB接続できるモバイルバッテリーが別途必要ですが、機種を選ばず使えるので引き出しに眠っていたコンパクトタイプのバッテリーを接続してみました。
コード接続と同時にファンが回ります。ファンの強さは3段階で調節でき、MAXパワーでも音はそれほどうるさくありません。
空調服ファンを作動させると見た目はダウンジャケット
ファンが問題なく作動したら、フロントジッパーを上げていきます。空調服をフィッティングして初めてニヤッとするのがこの瞬間。
ファンから送られたエアーが空調服の内部で膨らみ、外から見た感じはまるでダウンジャケットを着ているように膨れ上がります!
見た目に反して重くもありません。特にファンが起動してしまえば、送風される空気の圧力で空調服自体が浮き上がるので、ほとんど重さを感じることなく着続けられました。
エアーが循環して「首から抜ける」ので想像以上に気持ちが良い
空調服は下部がゴムで体にぴったりフィットするように締め上げられており、ファンから送られた空気は上へと抜けていきます。
ほとんどが首の隙間からサワサワと抜けていくので、汗がスーーーっと引いていく感覚がとても心地よい。
首は太い血管が通っているので、首元が冷えることは頭をはじめ体全体の体温を下げる効果が高いのです。ただ空気をファンで送り込んでいるだけというイメージでしたが、しっかりと考えて設計されているのが分かりました。
エアーは首だけでなく腕のほうまで循環していくので、腕だけが汗でべたべたになることもなかったです。
駆動時間はモバイルバッテリーからのUSB供給なので汎用性高い
4つのファンを回すとなれば駆動時間が気になるところですが、モバイルバッテリーの性能次第でどのようにもなるという汎用性の高さが良いと思いました。
最近のバッテリーは小型でも大容量で、スマホの充電のために何かしら持っている人は多いと思います。充電も手軽にできるし、重さも気にならない。これがもし乾電池で駆動するような方式だったら、目に留まるようなものにはならなかったと思います。
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空調服の釣り場での使いどころと感じたデメリット
いざ7月の蒸し暑い釣り場で空調服の真価を検証しました。
場所は湾内の釣り堀。当日は朝降っていた雨がやみ、湿度が高い中で日差しが強くなるという、典型的に蒸し暑い日本の夏という気候でした。
初めは小雨が降っていたため空調服は着ていませんでしたが、雨がやみ天気が良くなるにつれ猛烈な蒸し暑さとともに汗が大量に出てきます。風もなくじっとしていてもべたべたになるくらい。
ここで空調服を着てファンを全開にしてみると、決して派手さはないがそよ風のような心地よい風が体を抜けていきます。汗でベタっと濡れた服が乾いていくので気持ち悪さも解消できました。
VINMORI 空調服 UVカットUPF+50 薄手 USB給電 蚊・虫刺され防止 春夏用 防水 一着両サイズ UV対策 吸汗速乾...
動きの激しい釣りや雨の中で使うのは厳しい
一方で万能とは言い難い点も気になりました。動き回って体温が一気に上がるような状況では、さすがに汗の流れを止められず小休止を余儀なくされます。クーラーのような快適さはさすがにない。
動き回るルアー釣りや、動きの激しいジギングなどは空調が追い付かずに蒸れて逆効果にもなりうると感じました。
空調服が活躍できるのは、動きの少ない釣り。
- 釣り公園でサビキ釣り
- 堤防釣り
- サーフでの投げ釣り
- 海上釣り堀
など決まった場所で釣り座を移動しない時に、一番恩恵を感じられます。じりじり照り付ける熱から体温上昇を防いでくれて、汗でべたつくのを防いでくれます。
素材は撥水加工されてるがファン部分に水が入るとダメなので注意
もう一点、完全防水ではないので派手に水を被る釣りでは注意が必要と思いました。
私が買ったVinmori空調服は生地が撥水加工がされており、少量の雨や水しぶき程度であれば水玉になって弾いてくれるのを確認しました。
ただし完全防水というわけではありません。降り続ける雨ではファンのモーター部分に水が入ってしまう可能性が高いので、大量の水滴が入る可能性ある場合はレインコートを着るなどして対策が必要でした。
レインコートを上に羽織っても、エアーの循環で汗の蒸れが軽減されるのでこれはこれで十分快適性が向上してくれますね。
釣りで使うならインナーにラッシュガードなどドライ素材を着用
空調服が快適に熱を発散してくれるのは、汗を効率よく気化させて冷やしてくれる効果が大きいためです。この効果を十分に発揮するには、空調服の下にラッシュガードや水分の蒸発性能に優れたアンダーウェアを着込むと快適性が増します。
あくまでも上半身だけですので、下半身は通気性を考慮して薄手の長ズボンか、ハーフパンツ+スポーツ用タイツを着用していくことで快適性と安全性を両立できます。
空調服は釣り以外でも使い道あるので日常でムダにならない!
この空調服ですが、もともと釣り専用に作られたものではありません。日常生活のいたるところで熱中症対策として使えるのでガンガン使いたいと思いました。
家庭菜園や草むしりといった自宅まわりでの日中の作業には最適。直射日光の炎天下ではやや役不足を感じますが、日陰に入ってファンを回して休憩していれば数分で汗が引いてきます。
もっとも日中は家の中で大人しくしているのが一番安全ですが、夕方になってもジリジリ熱い日は空調服の快適性が頼もしく感じます。
何気に気に入ったのが、首から風が出るおかげで「蚊」が寄り付かないこと。釣り場の虫対策もそうですが、庭仕事で知らない間に首筋などを蚊に刺されることがなくなったのは個人的に◎でした。
じっとしていても流れ出る汗が、送風されるエアーで発散されていくので蒸し暑い日本の夏には最適なアイテムだと思いました。暑い堤防でサビキ釣りをしたり、海上釣り堀で熱くなる人は特に効果を感じられるので、暑さで倒れる前に転ばぬ先の杖として使ってみてはいかがでしょうか。