フグと言えば評価は2つに分かれる・・・食べておいしいフグと、釣れてきてほしくない外道としてのフグ。この記事で取り上げるのは、堤防釣りで外道として釣れてくる「クサフグ」を初めとする厄介なフグたちのこと。
クサフグは全国の沿岸に生息し、春夏秋冬年中釣れてくる。堤防や磯場はもちろん、砂浜の海底でもどこにでも生息している。釣り師の中には、「グーフー」と言って釣っては可愛がるほほえましい光景も見られるが、仏の顔でいられるのは3匹までである。
フグは基本的に内臓に毒のある食べられない魚として喜ばれないが、それ以上に釣り人に嫌われるのは訳がある。率先してエサをかすめ取っていくエサ取りとして暗躍するほか、フグは歯がネズミのように鋭く、ハリスを噛み切ってしまう。気づいたらハリがなくなっていたという場合は大抵クサフグのせい。
このクサフグをどのようにかわして、本命に近づいていくのかを考察してみたい。
クサフグ対策の手法色々
ネズミのような硬い歯で何でもかじる貪欲さは、おそらくクサフグがナンバーワン。一般に釣具屋で買える釣り餌はすべてフグの好物となり、硬い歯でカニなども噛み砕きます。さらにワームなどのソフトルアーですら一瞬でかじられてズタズタになる・・・。ゴムですら容赦ない旺盛さには脱帽もの。
フグは早く落ちるものにより興味を示す傾向にある
実はクサフグは早く海底に落ちていくものにより興味を示すという特徴があり、ボトムを攻めるワームなどのソフトルアーに興味を示すのもここが大きい。
ゆっくりとエサを海になじませていくと、フグに狙われず無事なこともあります。
もっとも数がたくさん居ればすぐ気づかれますが、大きめの錘で落とすと真っ先に興味を示すので注意。できるだけ仕掛けを軽く、錘を小さくするのもクサフグ対策の手段の一つ。
フカセ釣りなどでは、錘で早く沈めようとすると逆効果であることが多いので、できるだけゆっくり馴染ませることを意識する。
フグが嫌がるタイプの巻きエサを使う
マルキュー:フグバイバイ
サビキ釣りに集まってクサフグ祭りになる場合は、「フグバイバイ」というコマセに混ぜるタイプの配合餌が売っています。
これはフグが嫌がるほどの小さな硬い粒子をエサに混ぜ込むという仕組み。フグはエサをしっかり噛んで食べますから、エサだと食いついたら、人間でいえば「アルミホイルを噛んじゃった・・」的な嫌な感じで興味をそらすのです。
磯釣りなどでチヌやグレを狙うときにも厄介なクサフグ対策のエサとして、撒き餌に混ぜることで一定の効果があるとされます。
夏のフカセ釣りは大人しくお腹いっぱいにさせる…
最終手段は、お腹いっぱいになるでとことん食え!と撒き餌を大量に撒いて、お腹いっぱいにさせる作戦。さすがに満腹ではエサ食べませんから、近場にいるフグは一掃できるかも。ただ手持ちのエサも少なくなるので余裕あるときしか使えない。
クサフグの場合は海の中の力関係では大型の魚には弱いらしく、グレやチヌの大型が突っ込んできたときはそそくさといなくなることがあります。今まで食ってきたフグが突然釣れなくなった!という時には高い確率で大物が接近しています。フカセ釣りではこのようなサインがでたら、より集中して仕掛けを流すようにしますね。
このように決定打となる対策にかける、強力な堤防釣りの外道であるわけですが、気に入らないのか「堤防上に放置する釣り人」がいまだに後を絶たない。一応彼らも生きるに必死なのですから、釣れたら海に返すようにしましょう。死んで異臭を放ってることもあります。フグを放った位では魚の群れは逃げないので、釣れてしまってもそっと海に返すように心がけていきましょう。