堤防釣りや投げ釣りで、しばしば目にする「ベラ」。代表的なものは写真のキュウセンベラという種類で、堤防釣りしたことある人は一度は釣ったことがあるのではないでしょうか?
ベラばっかり釣れて本命が釣れない・・・と嘆く釣り師も数知れないですが、ベラの生態や釣り方をしっかりと考察することで本命に近づけるヒントになることも。そんな思いでベラ釣りについての考察をしてみます・・・果たして需要あるのか。
キュウセンベラの釣れる時期と生態
キュウセンベラは沖縄を除く全国に分布しており、基本的に通年釣れる魚。ただ暖かい時期の活性が高く、冬よりも暑い季節によく釣れます。夏の五目釣りのターゲットや堤防釣りの外道として不動の地位を獲得するほど貪欲にエサを食っていきます。
冒頭の写真の上がオス・下がメスで種の違いはなく同種類です。実はキュウセンは生まれるときは全てがメスで、群れの中で強い奴がオスに性転換する性質があります。そのため緑の個体はあまり数釣れることがありません。
普通に堤防釣りで釣れるキュウセンベラは15センチから20センチ程度ですが、最大30センチにもなり結構痛快なファイトが楽しめる魚。
生息地は主に砂地や岩場交じりの砂泥地などが生息地なので、堤防と言えばたいていどこでも目にします。
キュウセンベラは面白い生態があり、夜になると砂の中にもぐって布団をかぶるように眠ります。つまり昼間に主に釣れる魚であるということ。太陽が燦々と輝く日中にガンガン食ってくる魚なのであり、完全にかわすには夜釣りです。
夜釣りが不安な人は投げ釣りなどで潮の流れの早い場所を狙っていくか、釣る時間帯を朝マズメの日が昇る前に集中するか、夕マズメから暗くなってくるまでの短時間に絞ることでベラ祭りになることを防げます。
エサで違いをもうければ釣れなくなるかどうかですが、先の突き出た細い口でオキアミ・イソメなどの虫エサ・エビ・カニまで何でも食いつくいやしい魚であるためエサで差別化するのは難しい。サビキ釣りのアミエビなどに集まってくるので、近くでサビキ釣りしてたりすると釣れ出すことが多いです。
キュウセンベラと他のベラとの違い
ベラの仲間は種類が豊富で、似た魚が釣れていまいち判断できない場合があります。ここでは簡単に堤防釣りでよく釣れてくるベラの違いを載せてみました。
ちょっと赤みのかかったササノハベラという種類。体型こそ似ているがキュウセンとの違いは、ライン模様が無い。メスはこのような赤色ではなく、灰色がかった地味な色になる。
こちらは黒くて毒々しい色をした、オハグロベラという種類。キュウセンとの違いは体色と、背びれ前方の2本が糸のように伸びているので分かりやすい。メスは赤い色をしており、ササノハベラなどと間違われる。磯場と隣接した堤防などで釣れやすい。
キュウセンベラは実は刺身が旨い!?
キュウセンまるでウナギのように体表がぬるぬるの粘膜に覆われており、持ち帰って料理するとなると一苦労。ところが面倒でも塩などでヌメリを落としてウロコを取り除き、開いて食べると美味。
小さい個体が多いので煮つけや塩焼きなどで食べるのが定番となるが、実は刺身で食べると甘みがあり締まった身でおいしい。20センチ以上のサイズが釣れたら、一度食べてみたい魚の一つでもある。
※関西方面では大型が釣れることが多く、ベラをメインで狙うという人さえいる。引きは強く食味も楽しめるので、外道とするかターゲットとして狙うかは地域によっても違いが見られるのが面白い。比較的温暖な地方では型も期待できるので、思わぬ大ベラに出会えるかもしれない。
外道として扱われることが多いのだが、真昼間でも相手してくれるので子供と釣りに行くときなど退屈しない。大型は引きも強く一瞬期待させる引きで楽しませてくれるので、たくさん釣れるときはいっそのこと型狙いでキュウセンを釣ってみてはいかがかと思う。